「テレビの中に入りたい」公開記念!今後日本公開が楽しみなA24の映画たち!特集
こんにちは、ビニールタッキーです。

A24映画「テレビの中に入りたい」が2025年9月26日についに公開されましたね。
奇妙で少しチープな90年代の深夜番組にのめり込んだ二人の青春物語、メランコリックなインディーズロックが中心のサントラ、トランスジェンダーでノンバイナリーのジェーン・シェーンブルン監督が自身の経験を元に描いた物語、主演のジャスティス・スミス、ジャック・ヘブンがクィア当事者であること、全てが惹かれる要素で見る前から「今年ベスト級」と思うくらい楽しみな映画でした。実際に見てみると面白くてアーティスティックで素晴らしい映画であるのは当然として、心の奥深くに棘の様なものがずっと刺さったまま取れなくなってしまい、見た後しばらく遠くを見て考え込んでしまう様な映画でした。このような極めてインディーズ的でアート的でパーソナルでありながら刺さる要素の映画を作ってくれて本当にありがとう…という気持ちになりました。
そしてそんな映画を日本公開してくれたハピネットさん本当にありがとう…と深く感謝しました。したんですが…一言言わせて下さい。日本公開まで長かった!
「テレビの中に入りたい」

2024/05/03 北米公開 → 2025/09/26 日本公開
なんと北米公開から1年4ヶ月後の公開。海外の映画ファンやクィア当事者の絶賛の声や、マーティン・スコセッシも絶賛ということですぐに日本に来るだろうと思っていたのですが…A24は日本のハピネットファントム・スタジオと独占契約しているのでいつか必ず公開されるという安心感はあるんですが、一方で公開タイミングが読めなすぎてヤキモキすることがしばしばあります。特に本作は1年以上待たされたということもあり「まさか公開見送りするんじゃなかろうか…」という懸念さえ感じました。
これ以外にも公開が遅い/早いに関わらず日本公開のタイミングについて色々と感じたA24映画がいくつかありますのでご紹介します。
「愛はステロイド」

2024/03/08 北米公開 → 2025/08/29 日本公開
90年代のアルバカーキを舞台にレズビアンの恋愛と血みどろのスリラーを組み合わせた作品です。制作発表の時点で「絶対素晴らしい映画だ!」と期待パンパンの状態だったのですが本国の公開後待てど暮らせど中々日本公開されず最終的に1年5ヶ月後の公開でした。しかも最初に日本公開決定の報が出されたのが大手シネコンでの予告編や配布物だったのでド田舎のA24ファンとしては「何かが発表されたらしいがわからん」という状態で泣かされたのも忘れられない思い出です。
「MaXXXine マキシーン」

2024/07/05 北米公開 → 2025/06/06 日本公開
「X エックス」「Pearl パール」に次ぐ3部作の完結編。こちらも評判が高く、スコセッシがベタ褒めという話も聞こえてくるのに中々公開されなかった!(もしかしてスコセッシが褒めると日本公開が遅くなる…?)結局1年1ヶ月後の公開でした。結構待ちましたよ!
「顔を捨てた男」

2024/09/20 北米公開 → 2025/07/11 日本公開
セバスチャン・スタンが特徴的な顔を捨てて第二の人生を歩む男を演じた意欲作です。同じくセバスタが若き日のドナルド・トランプを演じた「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」が北米では同時期に公開されたということもあり、この2作を並列で語る映画評などをよく見かけました。しかし日本では北米より10ヶ月後の公開となりました。ちなみに「アプレンティス」は北米より3ヶ月後の公開でした。なぜ。ただ、こちらはかなり早い方だったと思います。感謝です!
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

2024/04/14 北米公開 → 2024/10/04 日本公開
こちらは「公開タイミングが見事!」という例です。アメリカでは数ヶ月後に大統領選を控えた4月に公開されたということもあり大ヒットしました。しかもインディーズのA24には珍しく大予算の戦争映画であり、IMAX上映にも力を入れるという意欲作でした。一方日本ではアメリカ大統領選直前の10月に公開するという狙い済ましたタイミングと、アメリカに倣ってIMAX上映を敢行したという英断も相まって初登場1位という快挙を成し遂げました。このヒットにA24がコメントを寄せたり、劇中の「お前はどの種類のアメリカ人だ?」がミーム化したりとちょっとした社会現象となりました。(まさかピクシブ百科事典にページが作られるほど話題になるとは思ってませんでしたが)
この他にも「関心領域」(5ヶ月後)、「ベイビーガール」(3ヶ月後)、「異端者の家」(5ヶ月後)、さらにアリ・アスター監督作「エディントンへようこそ」も本国より5ヶ月後の今年12月公開予定と注目作をかなり早く公開してくれています。一部の特殊な例を除けばハピネットさんはがんばってくれている!という印象が強いです。だからこそ公開が遅くなった時に「なんか問題あるのかな」「日本公開に際して難しいところがあるのかな」と杞憂してしまうのです。
ここまでに挙げたのは公開された(または公開予定が発表された)の映画ですが、それ以外にもまだまだ日本公開未定のA24映画があります。ここからは「あのA24映画の日本公開を楽しみに待ってます!」という映画をいくつか挙げていきたいと思います。A24は映画制作だけでなく映画配給も行なっている映画会社のため、制作映画と配給映画は分ける必要があるのですが、この記事では簡潔にするためにまとめてA24映画と呼ばせてもらいます。ここら辺の事情については2023年にサイゾーさんで語らせてもらいましたのでぜひご参照ください。
また、個人的に楽しみなA24映画、ということで全てを網羅している訳ではないことをご了承ください。こんなA24映画が控えている、というリストの一つとして参照してくださってもいいですし、皆さんも気になる映画があったら「楽しみ!」と声を上げてほしいと思います。きっと届くはず!
「Y2K」
2024/12/06 北米公開 → ???
「ブリグズビー・ベア」「サタデーモーニング・オールスターヒッツ!」などでもお馴染み、僕が愛してやまない元SNLのコメディアンであるカイル・ムーニーの監督作です。実はY2K問題(2000年問題)というのは2000年になった瞬間に機械が暴走する問題だったのだ!というまあ何ともチープで可愛らしいホラーコメディなんですが日本公開未定。「白雪姫」のレイチェル・ゼグラーや「イット」のジェイデン・マーテル、「デッドプール2」のジュリアン・デニソンなど若手のホープが出演している賑やかな映画なんですが、残念ながらRotten Tomatoesの数値があまり芳しくないため仕方ないかな…と思っています。(バカバカしすぎたか?)しかし数値はどうあれ独占契約なんだから公開してね!と切に願っています。
「Opus」
2025/03/14 北米公開 → ???
「The Bear(一流シェフのファミリーレストラン)」「ボトムス ~最底で最強?な私たち」などで人気の高いアヨ・エデビリ主演のスリラー映画。30年前に失踪した伝説のポップスター(演:ジョン・マルコビッチ)のパーティーに招待されたジャーナリストが体験する恐ろしい一夜…という映画。ファッション誌GQ出身という異色の経歴のマーク・アントニー・グリーンの長編デビュー作ということで気になるんですが日本公開未定。自分の周りの映画好きはみんなアヨさんが大好きなので無条件で見に行くと思うのですが…待ってます!
「Death of a Unicorn」
2025/03/28 北米公開 → ???
今をときめくジェナ・オルテガとみんな大好きポール・ラッド主演のホラーコメディサタイア(皮肉劇)です。「ユニコーンの子供を轢き殺してしまったことから巻き起こる金持ちたちの大騒動」というあらすじだけで興味を惹かれまくりますが日本公開未定。昨今アメリカで流行っている「逆転のトライアングル」や「ホワイト・ロータス」や「ナイブズ・アウト」に連なる「Eat the Rich」(金持ちをやっつけろ!)映画の系譜の一つだと聞いているため、とても楽しみです。
「Warfare」
2025/04/11 北米公開 → ???
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」でアレックス・ガーランド監督が軍事スーパーバイサーとして組んだ退役軍人のレイ・メンドーサ氏と共同で脚本を執筆した映画です。イラク戦争に参加したメンドーサ氏の実体験を元に、ネイビーシールズの1小隊の戦いを描く戦争スリラー映画とのことですが日本公開未定。(ただしあるメディアで既に公開予定が出ているという話も…?)キャストはウィル・ポールター、キット・コナー、ノア・センティネオ、ジョセフ・クイン、チャールズ・メルトンなど若手の人気俳優揃い踏みで「このキャストのままで青春群像劇を作ってくれよ!」と叫びたくなります。まさにそういうキラキラした若者たちを主人公にすることで戦争に若者が投入されることの悲哀などを描いているのだと予想しています。
「The Legend of Ochi」
2025/04/18 北米公開 → ???
オチと呼ばれる不思議な生き物を拾った少女が親元まで連れて行くという、A24には珍しいファンタジー冒険譚です。主人公は「システム・クラッシャー」「この茫漠たる荒野で」で注目されたヘレナ・ツェンゲル。他にもフィン・ウォルフハード、エミリー・ワトソン、ウィレム・デフォーなど実力派が出演していますが日本公開未定。監督・脚本はMV出身のアイザイア・サクソンということでかなり意欲作という感じで気になる映画です。
「Bring Her Back」
2025/05/30 北米公開 → ???
こちらは正確に言うとA24"配給"映画です。オーストラリアの双子YouTuberのフィリッポウ兄弟が手掛けたホラー映画「Talk To Me/トーク・トゥ・ミー」、その精神的続編とも言える作品がこの「Bring Her Back」です。実写版「ストリートファイター」の監督仕事を断って傾注した作品ということで注目していますが日本公開未定。予告編を見ると前作同様に「怖いけど悲しみの方が深い」という雰囲気を感じますし、何よりもサリー・ホーキンスのホラー演技が楽しみです。
「Materialists」
2025/06/13 北米公開 → ???
「パスト ライブス/再会」で評価を受けたセリーヌ・ソン監督が再び手がける三角関係の物語。結婚仲介人で独身のダコタ・ジョンソン、お金持ちでイケメンな今カレのペドロ・パスカル、普通の人だけど今も気になる元カレのクリス・エヴァンス、と超一級のキャストです。あえてスーパーヒーロー映画のイメージのある3人を呼び寄せて少し懐かしいような恋愛映画をやる、というところがミソだと感じています。しかし日本公開未定。前作「パスト ライブス」は「もうキスしちゃえよ!」と叫びたくなるような恋愛のもどかしさが最高でしたが今回はどうなのか気になりすぎます。
「Sorry, Baby」
2025/06/27 北米公開 → ???
インディーズの登竜門であるサンダンス映画祭で脚本賞を受賞し、配給権獲得争いでA24がゲットしたA24配給映画です。過去の性的暴行のトラウマを抱えた主人公が親友や新しい彼氏との生活で自分自身を取り戻して行く物語です。主演・監督・脚本のエヴァ・ヴィクターの長編デビュー作で、親友役のナオミ・アッキーや彼氏役のルーカス・ヘッジスもいいですね。(ルーカス・ヘッジスが出ている映画は大体いい映画です)今のところ日本公開未定ですが、サンダンス映画祭という強いネームバリューがあるのでそのうち公開されると信じています。
ここから先はまだ海外でも公開されていないA24作品で気になるものをご紹介します。どれも注目度の高い作品ですのですぐにでも日本公開が決まるでしょう!そうですよね!?
「The Smashing Machine」
2025/10/03 北米公開 → ???
個人的に大注目作です。まさかロック様ことドウェイン・ジョンソンがA24の主演に!しかも日本の総合格闘技イベント「PRIDE」で活躍した総合格闘家マーク・ケアーの半生を描く伝記映画で、経産省の支援を受けて日本ロケも実施したという気合の入り様。さらに妻役がエミリー・ブラントなのでディズニーの「ジャングル・クルーズ」のコンビがリユニオンという面白さもあります。監督は「アンカット・ダイヤモンド」のサフディ兄弟の弟の方であり、役者としても「オッペンハイマー」などに出演しているベニー・サフディです。日本でも知名度の高い人物の映画であり、ロック様人気もあやかって大々的に公開されることを祈っています。おそらく賞レースに絡んできそうなので来年3月付近に公開されるのでは…とにらんでいます。
「If I Had Legs I'd Kick You」
2025/10/10 北米公開 → ???
こちらもA24配給映画。個人的に大好きなコメディエンヌ、ローズ・バーン主演のサイコロジカルスリラーコメディ。難病の子供のワンオペ育児を任された女性が精神が不安定になりついに限界を迎える物語です。私が読んだ海外評では「まるでサフディ兄弟が撮った女性の物語」「ハリウッドがローズ・バーンをずっと過小評価してきたことを暴く映画」と言われていてとても気になっています。感動的な話を見て涙を流して心が洗われるという映画体験もありますが、めちゃくちゃ不安定な人が不安定なまま暴走していく様子を見て「こういう風になってしまうのは自分一人ではないんだな」と心の平穏を得るという映画体験もあると思うんです。A24は特にそういう映画が多い様な気がしますがこちらもそういう一本だと期待しています。
「Eternity」
2025/11/14 北米公開 → ???
死後の世界で永遠に暮らす相手を選んで、と言われたラリー(マイルズ・テイラー)は同じく亡くなった妻のジョーン(エリザベス・オルセン)を選ぶが、そこにジョーンのかつての夫で結婚してすぐに戦死してしまったカーク(カラム・ターナー)が現れて…というファンタジーラブコメディ。少し変わったシチュエーションの三角関係の物語ですが、「ワンダビジョン」で見せたエリザベス・オルセンのコメディエンヌっぷりがさらに見られそうですし、マイルズとカラムの男二人の関係も気になりますね…。監督はゲイとレズビアンの高校生の友情を描いた「恋人はアンバー」のデヴィッド・フレインということなので注目です。
「Marty Supreme」
2025/12/25 北米公開 → ???
こちらはサフディ兄弟の兄の方ジョシュ・サフディの監督作。20世紀中盤に活躍した実在のアメリカ人卓球選手マーティ・リーズマンを元にした野心的な卓球選手をティモシー・シャラメガ演じています。こちらも日本ロケを行なっているということです。ジョシュとベニーそれぞれが実在の人物をモチーフにした映画を撮っている(しかも日本ロケもしている)という事実も面白いんですが、こちらも賞レースを視野に入れた様な堂々とした作品で注目しています。北米ではクリスマス公開ですが日本ではどうなるんでしょうか。
以上となります。
繰り返しになりますがA24映画がハピネットさんの独占配給となって映画ファンの一人として本当に安心しています。公開されるかどうかわからない、どんな宣伝になるかわからないという不安は払拭され、A24と作品のブランドイメージを大切にして丁寧に宣伝されていることをひしひしと感じています。さらに海外の尖ったインディーズ映画をそれなりの規模で全国公開してくれていることにも感謝しています。この記事を書くきっかけとなった「テレビの中に入りたい」についても「こんな野心的で先進的でパーソナルだけど心に深く突き刺さる映画を丁寧に日本公開してくれてありがとう…」と感じました。
ということでまだまだ楽しみなA24映画が今後もいっぱい控えているんです!「色々大変でしょうが日本公開よろしくお願いします!」という気持ちをこめてこの記事を書きました。日本映画界は国内の映画が当たりまくってウハウハと聞きますが、それとは別に海外の独創的なクリエイターによる多様な視点のインディーズ映画も盛り上がってほしい、という強い願いを込めて締めさせて頂きます。
それでは最後に一言。A24、最高〜!(よくある映画CM風)
サタデー・ナイト・ライブで今何が起きているのか。
こんにちは、ビニールタッキーです。

私のTwitterやこのブログの読者の方ならご存知だと思うのですが、私はアメリカの老舗コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」(通称:SNL)が大好きです。なにせ50年続いている長寿番組のため全てを網羅しているわけではないですが、確か2018年(シーズン44)とかその辺りからYouTubeでアーカイブを見始め、日本でもHuluで日本語字幕付きで見れると知ってからドハマりしました。少し前の記事ですが紹介記事を書きましたのでご参考までに。
そんなSNLですがこの記事を書いている現在(2025年9月)は来月10月に控えているシーズン51の準備で大忙しの時期です。そんな中で人事再編成、つまり番組を卒業する人たちと新規加入する人たちのニュースが相次ぎました。まあこれは毎度おなじみのことなんですが、今回は色々と気になる部分があるのです。というかはっきり言いますが「こんな人事異動でシーズン51は大丈夫そ?」という気持ちになってしまうのです。順を追って説明しましょう。
1. 脚本家セレステ・イムが卒業
スケッチの脚本を書くライターを約5年間勤めたセレステ・イムが卒業。セレステはトランスジェンダーでノンバイナリー(プロナウンスはThey/Them)。コロナ禍の2020年に弱冠23歳でライターに抜擢されてSNLで史上初のトランスジェンダーのライターとなりました。2023年には脚本スーパーバイザーにも昇格した才人です。アジア系(韓国系カナダ人)でクィアということもあって同じくアジア系でオープンリーゲイのボーウェン・ヤンと組むことが多かったようです。セレステが手がけたスケッチで高く評価されているのは「It Gets Better」。
2011年に発足した実在のLGBTQ若年層支援プロジェクト「It Gets Better」によって心を救われた子供たちが10年後に本当に人生がよりよくなった(It Gets Better)のかをインタビューするというスケッチです。セレステ自身も子供の頃にこのプロジェクトで救われたということで愛情とギャグとイグアナ(!)が詰まったスケッチです。ホストのダン・レヴィを含めスケッチに登場するコメディアン全員がオープンリーなクィアであるのもいいですね。ちなみにIt Gets Betterプロジェクトはこのスケッチを大変気に入り、チャリティ商品としてイグアナのピンバッチを作ったそうです。
まさにリベラルなSNLのコメディを象徴するようなライターでしたが残念ながら卒業。卒業を伝えるInstagramの投稿では番組に感謝しつつめちゃくちゃ仕事が大変だったし、いい人もいたけどいじわるな人もいた、等々の内容を何度もbutという単語を使って述べているのが可笑しくて笑ってしまいます。そしてトランスジェンダーの連帯のためにコメディライター業は続けていくと語ってくれています。幸あれ!
2.デヴォン・ウォーカーが卒業
2022年のシーズン48で新人枠で加入し、シーズン50でメインコメディアンに昇格したばかりのデヴォン・ウォーカーが3年目にして卒業。アフリカ系男性のレギュラーメンバーとしては大ベテランのキーナン・トンプソン、マイケル・チェ、そしてデヴォンの3人という感じでしたが、3シーズン通して彼の登場回数は少なめ…悪くはなかったと思うのですが正直頭角を表せずに卒業というイメージです。例えば先輩のクリス・レッドは「イキってるけど実は気弱なアフリカ系男子」のキャラが得意でしたしその前のジェイ・ファローはアフリカ系俳優やミュージシャンのモノマネが抜群で人気者だった印象です。新人が独自のキャラを出せないまま去ることは「SNLあるある」ですが残念。
彼のスケッチで個人的に好きな「Baptist Church」を貼っておきます。デヴォンとマイケル・B・ジョーダン演じる牧師コンビが神の教えと教会への寄付(≒牧師の個人費用)の呼びかけをオルガンに合わせて歌いまくる最高のスケッチです。やはりこういう人種特有のジョークを取り入れたスケッチが見れるのはいいですよね。
3.マイケル・ロングフェローが卒業
デヴォン・ウォーカーと同じくシーズン48で加入したマイケル・ロングフェローも卒業。端正な顔立ちでキツいジョークを言うスタイルでWeekend Updateのゲスト枠で頭角を表しました。一部ファンの間ではWeekend Updateの次期アンカー候補では?とも囁かれていましたが残念。こちらに貼ったのは「シドニー・スウィーニーの家族はMAGAなのでは?」という疑惑報道から自身の保守的な家族について語るマイケル・ロングフェロー。加入してすぐの登板で堂々とコメディを披露し、アンカーのコリン・ジョストにもずけずけ突っかかる様に「おもしれー男」と感じた思い出があります。
しかし彼も卒業。シーズン48で入った新人枠は去年モリー・カーニーが卒業し、今年はデヴォンとマイケルが卒業して4人中3人がいなくなったことになります。残るはマルチェロ・フェルナンデス1人ですが、彼はラテン系の出自を活かして「ステレオタイプ的な陽気なラテン系の伊達男」キャラが大ヒットしたためしばらくは安泰かと思います。しかし新人枠がこんなに去ってしまうのは少し異常事態だと感じてしまいます。
4.エミル・ワキムが卒業
個人的にはこれが一番衝撃でした。2024年のシーズン50の新人枠で加入したエミル・ワキムがたった1年で卒業。レバノン系移民でクリスチャンという「アラブ系だけどムスリムではない」出自を活かしたギャグが最高で、Weekend Updateでその話芸を見たときは(少しスベってる箇所もあったけど)大いに笑いました。「周りの人が僕の見た目を見てから僕がクリスチャンだとわかると明らかにホッとする様子が伝わる。今も感じてるよ。例えるなら僕はアニメのリュックを背負ってる黒人男性だ」
そんな陽気な感じのエミルですがこのトークの後半では2024年の大統領選挙に紐づけてイスラエル軍のピンクウォッシュやガザ侵攻を止めないイスラエルを支援し続けるアメリカを皮肉るギャグをかましています。「自分の村が爆撃されている時に「私の奥深くにいる私は誰だろう。もしかしたら私はゲイかもしれない」などと考える余裕はない。LGBTQを支援するなら爆撃をやめるべきだ」。さらにジョーク内での一節ですが「Free Palestine」とSNL内ではっきり発言したことには驚きました。SNLの創始者にして総支配人ローン・マイケルズはユダヤ人であり、放送局の重役にもユダヤ系が多いためこの何気ないジョークは実は勇気ある発言なのです。
しかしエミルは1年で卒業。前述の経緯から見て「クビにされたんじゃない?」という憶測が流れても仕方のない状況です。(前述の通りSNLはユダヤ系の番組なのでパレスチナやガザ侵攻に関する言及は不気味なほど少ないです。ロシアのウクライナ侵攻についてはちゃんと追悼してたのに…)クリスチャンとはいえアラブ系移民のコメディアンがレギュラーメンバーとして加入していたのはジョークやスケッチのバリエーションも広がるしとてもいいことだと思っていたので本当に残念でした。
5.ハイディ・ガードナーが卒業
こちらも衝撃でした。2017年のシーズン43で加入し、2年後にはメインキャストに昇格、現在のSNLではベテランとなったハイディ・ガードナーが8年目にして卒業。ベテランで実力も安定感も爆発力もあるハイディの卒業に最初は驚きましたが、上記の記事によると今年初めにゲスト出演したポッドキャストで「SNL疲れ」を正直に告白していたようです。ハイディの場合、出演者とライターを兼任しているため、ただでさえ忙しいSNLでかなり多忙を極めていたとのこと。個人的には彼女のキャリアと共にSNLにハマった感じだったので感慨深いです。ハイディの持ちネタといえば高慢な元カノ、ヒステリックな母親、白人女性あるある的な「〇〇な女性」シリーズ(例:何もしてないのに忙しそうな女性、年齢を重ねても優雅さを保つ女性、息子がSNSで有名になった女性等)や持ちキャラであるティーン映画評論家ベイリー・ギズマートなど豊富なネタでSNLを大いに盛り上げました。ここでは先述したエミル・ワキムと共に夫婦役を演じた「Earring」を貼っておきます。大学生の息子(演:ポール・メスカル)がイヤリングを着けていたことからパニック状態になる保守的な家族のスケッチです。
また、ハイディといえば「Beavis and Butt-Head 」も最高でした。「討論番組の観客席にビーバス&バットヘッドのそっくりさんがいる」というスケッチで、司会者役のハイディがバットヘッド(演:マイキー・デイ)を見て見事なBreaking Charactor(コント中に思わず吹き出してキャラ崩壊してしまうこと)を決めてしまったシーンはシーズン50で一番話題となりました。(ちなみにビーバス役のライアン・ゴズリングもゲラとして有名でこのスケッチでも盛大にBreaking Charactorしています)
6.シーズン51の新人枠5人が発表!しかし…
シーズン51の直前に発表された4人の卒業。その穴を埋めるように新人が5人発表されました。もちろん喜ばしいことなんですが、かなり大きなサプライズが一つありました。SNLのライターでもあり、幕間で短いコントを披露していたコメディトリオ「Please Don't Destroy」(略称:PDD)の3人のうちの1人、ベン・マーシャルが出演者として参加することが発表されたのです。過去にもコメディトリオThe Lonly IslandがライターとしてSNLに加入し、メンバーの1人のアンディ・サムバーグが出演者としても活躍するということがありました。それと同じような感じなのかな、と思いきや…
なんとメンバーの1人ジョン・ヒギンズ(背の低い方)が番組からの卒業を発表。もう1人のマーティン・ハーリヒー(メガネの方)はライターとして残り、ベンは出演者として出るということでなかば分裂状態に。まあPDDは解散せず活動を続けるようですがSNLでトリオの姿を見ることはなくなるそうです。2025年9月現在もお笑いツアーで3人揃って各地を回っているので不仲とかではないのは一安心です。
実はこの兆候は既にシーズン50の時点であったという指摘もあります。精力的にスケッチビデオを作っていた彼らでしたがシーズン50では極端に少ないということがありました。恐らく次のステップのための準備で忙しかったのでしょう。その点についてホストのスカーレット・ヨハンソンにツッコまれるという自虐ネタもやっていました。「なんでそんなに疲れてるの?今年は動画を2本しか作ってないのに」「3本は作ったと思うよ!」
PDDのスケッチで印象に残っているのはダコタ・ジョンソンと盛大なdisり合戦を展開したスケッチや、ゾーイ・クラヴィッツと逃げた猫を探す(なぜか一瞬ポール・ダノが出てくる)スケッチなど。あの悪名高いティモシー・シャラメのスケッチも彼らによるものです。(ティモシー・シャラメは俳優としては好きだけど一個人としては微妙な感情を抱いてしまうのもこのスケッチのせい…)ここではPDD最大のヒットである「Three Sad Virgins」をご紹介します。モテ男ピート・デヴィッドソンからMVに出てほしいと言われた3人がノコノコ付いていくと「イケてる俺と3人のかわいそうな童貞たち」という使われ方でショックを受けるというスケッチ。しまいにはテイラー・スウィフトまで出てきて3人のかわいそうな童貞たちについて歌う始末。異様に豪華だけど内容はしょうもない!!
色々脱線してしまいましたが、言いたいことは「ベン・マーシャルが出演者になるのはうれしいけどPDDのビデオスケッチ枠がなくなるのは寂しい!」ということです。
7.エゴ・ウォデムが卒業
一度この記事を書き終えて安心しきっていたところに入ってきたニュースです。2018年のシーズン44で参加、7年目のベテランのエゴ・ウォデムが電撃卒業発表です。もうシーズン51の新メンバーも発表されたので卒業発表はないだろうというタイミングでの発表は衝撃でした。
自分がリアルタイムで見てきたSNLでのアフリカ系女性コメディアンといえば破壊力抜群で最高なレスリー・ジョーンズ(2016年版『ゴーストバスターズ』も『海賊になった貴族』最高!)、キュートからクールから下世話までなんでもできたサシェア・ザマタ(『アガサ・オール・アロング』はマジで最高!)、クィアネタや歌モノスケッチ、おばあちゃん役が印象的だったパンキー・ジョンソン(『ボトムス ~最底で最強?な私たち』の先輩レズビアン役もよかった!)などなど思い出深い人が多いですがエゴもまさにその1人。特に口うるさい女性役をやらせたら天下一品で、Weekend Updateでの一人芸も最高ですし、モノマネでいえばディオンヌ・ワーウィックのモノマネをやりすぎた結果、ご本人登場まで至ったりしました。(その後本人公認となったそうです)
本当にたくさんの名スケッチを生み出してきたわけですが、ここでは近年の名作スケッチとして名高い「Lisa from Temecula」を紹介させてください。姉の誕生会にやってきた風変わりな妹リサのステーキが硬すぎてとにかく切れないというだけのスケッチなのですが、あまりにもはちゃめちゃなことが起きるのでホストのペドロ・パスカルが常にBreaking Charactor状態、さらにレストランのボーイに「すみません、他のお客様から苦情が…」と言われたリサが「私が黒人だから?」と返した時の言い方と表情が絶妙すぎて普段は滅多にBreaking Charactorしないボーウェン・ヤンが吹き出してるのが最高です。
ただ、エゴに関しては近年ではドラマや映画などの仕事が多くなり、そちらの方での活躍が期待できるので良い方向の門出だと思います。(先述の通り、番組を卒業したアフリカ系女性キャストたちはみんな活躍しています)SNLで彼女を見れなくなるのは残念ですが、素直に「おめでとう!ありがとう!」と送り出したいです。
ここまでシーズン51直前に発表された人事異動について説明しました。ここからはこれらの発表を受けてSNLファンの1人として感じた雑感です。
①人種多様性が弱まった。

人種という点でいうと現時点(シーズン51直前)でアフリカ系はキーナン・トンプソン、マイケル・チェ、そして新人のカム・パターソンの3人。一方の白人は現行が8人で今回の新人に4人いるので計12人…差が激しすぎません?他の人種でいうとマルチェロ・フェルナンデスは父がキューバ系で母がドミニカ系、ボーウェン・ヤンは中国系、これぐらいです。(エミル・ワキムが卒業してしまったことが本当に悔やまれる…)この多様性の乏しさはかなり気になっています。特に新人枠の5人中4人が白人というのはかなりびっくりしてしまいました。個人的にはもう少しアジア系(例えばアメリカにも多いインド系、日系コメディアン)やアラブ系(もっと言えばムスリムのコメディアン)、中南米のコメディアンなどがもう少し増えてほしいと思います。なぜコメディ番組に人種多様性を求めるかというと、例えばSNLで米中関係の政治スケッチをやりたいと思っても白人キャストでやってしまうとホワイトウォッシュやイエローフェイスになってしまうためでできない、となってしまいます。しかし現在は中国系のボーウェン・ヤンがいるので実現可能なのです。そして中国系当事者だからこそ織り交ぜられるギャグも必ずあるんです。何度も言いますが多様性はコメディのバリエーションを生むんですよ。
②メインの女性キャストが少ない

女性キャストという視点で見るとクロエ・ファインマン、サラ・シャーマンの2人はキャリアを重ねて安定感がありますが、昨年入ったアシュリー・パディラとジェーン・ウィックラインはまだスケッチの登場回数が少ないため実質メインの2人で回すことになりそうです。(ハイディ・ガードナーが忙しすぎて辞めると言ったのも納得…)新人女性のヴェロニカ・スロビコウスカが参加するのでこの辺りの活躍が増えることを期待したいです。しかし男女比12対5というのもかなりひどい数値だと思います。さらに言うとエゴ・ウォデム卒業によってアフリカ系女性のキャストが不在となりました。ちなみにアフリカ系女性のキャストがいないシーズンというのは2012年のシーズン38以来だそうです。まだフレッド・アーミセンやビル・ヘイダーやジェイソン・サダイキスが現役キャストだった頃…!時代が逆行している!これはどう考えてもスケッチの幅が狭まってしまうでしょう。しかし自分が見始めた2018〜2020年あたりは女性キャスト数が多く女性だけのスケッチなんてのもあったんですが…またそういう時代が来ることを願いたいです。
③オープンリーLGBTQのキャストが減ったまま

現在LGBTQであることをオープンにしているのはボーウェン・ヤンのみ。一時期のケイト・マッキノン(レズビアン)、パンキー・ジョンソン(レズビアン)、モリー・カーニー(ノンバイナリー)が所属していた時期が懐かしく感じます。もちろん今現在オープンにしていない人がいるだろうし新人枠にもいるかもしれないということは重々承知していますが、オープンにしてスタンダップコメディを披露しているコメディアンも大勢います。(Netflix「スタンドアウト: LGBTQ+ セレブレーション」など参照)なぜ彼ら(They)を起用しない?という気持ちが湧いてきます。
特にSNLについてはトランスジェンダーをジョークにして反対デモまで巻き起こしたデイヴ・シャペルを普通にホストとして何度も呼んだり、カーテンコールに突然参加させたりと「差別を容認してるんか?」と思わせることがたびたびありました。そんなことはないよ、というアピールのために犬猿の仲と噂されていたボーウェンとデイヴがハグする様子まで見せたりしてファンとしてはかなり複雑な気持ちでした。
SNLは他にも新人枠で加入することが発表された後に過去のアジア系差別やゲイ差別ジョークが発見されて加入直前に解雇となった幻の新人ショーン・ギリスを数年後にホストとして迎えたりしました。例えばクリス・ロックがウィル・スミスにビンタされた後、しばらくするとなんとなく水に流されて普通に大活躍してる様子などを見てもアメリカのコメディ界では「ジョークは水に流す」という暗黙のルールがあるように感じます。まあキツいジョークがウケる土壌なのでいちいちジョークでキャンセルしててもしょうがない、という感覚があるのかもしれません。しかしそうであるならば差別ジョークの対象にされがちなクィアなコメディアンをもっと採用してよ!と思います。
とまあこのように気になるところもありますがSNLは反省するのがよいところでもあります。(例:大統領になる前のドナルド・トランプやああいう風になる前のイーロン・マスクをホストとして呼んだことを後に反省)記念すべきシーズン50ではこれまでのスケッチの中で行われた、人種差別ネタ、女性差別ネタ、ゲイ差別ネタ、障害者差別ネタ、ステレオタイプの助長、ボディシェイミング、セクハラ、子どもや動物を対象とした性的ジョーク、ブラックフェイス、レッドフェイス、イエローフェイス、問題のあるゲストを番組に出演させてしまったこと等を告別式という形で振り返りました。いやしかし反省点多いな!このようなことがもう繰り返されないようぜひ前進してほしいと願います。
In Memoriam #SNL50 pic.twitter.com/8aUmE6nHgy
— Saturday Night Live - SNL (@nbcsnl) 2025年2月17日
最後にここからはシーズン50の個人的に気になったニュースをピックアップしていきたいと思います。昨シーズンはだいたいこんなことがあったという感じで参考にしてもらえれば幸いです。
・デイヴ・シャペルがSNLのモノローグでガザとトランスジェンダーの話はするなという検閲を受けたと証言。
デイヴは先述の通りトランス差別ネタ以降かなり嫌いなのですが、シーズン50でホストを務めた回のモノローグでは再び大統領になったトランプに対して、人道支援者であり親パレスチナだったジミー・カーター大統領のようになれ、と発言した時は「やるじゃん」と思いました。このモノローグをやる前に番組側から検閲があった(真偽は不明)ようですが、彼の芸風である「言ってほしくないことを言ってやろう」という露悪精神が良い方向に動いた例だと感じました。
・政治スケッチでマイク・マイヤーズがイーロン・マスクに扮して大ウケ。
SNLのオープニングは毎回政治スケッチから始まるわけですが、そこで誰が実在の政治家を演じるのかというのが楽しみの一つとなっています。毎回違うこともあれば、ここ最近のトランプ役はメインキャストのジェームズ・オースティン・ジョンソンが固定で演じていたりします。(彼は他のスケッチではチョイ役なことが多く、ほぼトランプ役のために在籍しているようなイメージさえあります。「トランプが大統領である限りはクビにならない」と言われたりも)そんな中イーロン・マスク役を演じたのはSNLレジェンドのマイク・マイヤーズ!『オースティン・パワーズ』を彷彿とさせる憎たらしい演技で最高です。この後もマイク・マイヤーズはたびたび出演。トランプが「カナダを51番目の州として受け入れる」と発言した際はカナダ人コメディアンとして「Canada is Not for Sale」というTシャツを着て登場したりしました。
・『ホワイト・ロータス』のエイミー・ロー・ウッドの外見を揶揄したスケッチに本人が苦言。
こちらは日本語の記事にもなっていますね。『ホワイト・ロータス』のパロディスケッチで出演者エイミー・ロー・ウッドの外見をギャグにしたことに本人が「意地悪で全然面白いとは思わなかった」とコメントしました。(実際に見てもらえばわかりますがこのモノマネは確かにヒドい)このコメントを受けてエイミー役を演じたサラ・シャーマンは平謝りし、エイミーに花を贈ったそうです。このスケッチ自体はSNLの元メンバーであるベック・ベネットやアレックス・モファットが出てたりスカヨハやリゾがチョイ役で出てたりと異様に豪華で楽しいスケッチだったのでなんとも残念です。モノマネはスケッチの基本動作ですがリスペクトとバランス感覚が重要だと改めて感じた騒動でした。
・モーガン・ウォーレンの疾風のような退場
Thank you, Mikey Madison and @MorganWallen! Goodnight! pic.twitter.com/FDlInhhHqb
— Saturday Night Live - SNL (@nbcsnl) 2025年3月30日
番組の最後に演者たちがお互いを讃えあう恒例のカーテンコール。そこで音楽ゲストのモーガン・ウォーレンがホストのマイキー・マディソンとハグした後疾風の如く去る様子が話題になりました。南部出身のカントリーシンガーということでNYのスノッブなリベラル層の番組であるSNLとは相性が悪そうという印象や、この行動の数時間後に地元へ帰る飛行機の写真とともに「神の国に連れて行って!」と投稿したことで「こんなところににはもういたくない」って意味なのか?など様々な憶測が飛び交いました。後に本人曰く「地元のナッシュビルに早く帰りたかった」とのこと。多分本当にそれ以上の深い意味はないと思われますがSNLの歴史の中でも珍しいシーンだったらしくWeekend Updateなどでも散々擦られました。
・スカーレット・ヨハンソンがマイケル・チェに反撃
ニュース番組風の人気コーナーWeekend Update。毎年12月にアンカーのコリン・ジョストとマイケル・チェがお互いに書いた原稿を交換して読み上げるという「ジョークスワップ」という恒例行事があり、大抵の場合は相手が読んだら顰蹙を買うようなジョークを読ませる(例えば白人のコリンが黒人を侮辱するようなジョークを読み上げさせられるなど)というのがお約束となっています。今回のジョークスワップではコリンの妻であるスカーレット・ヨハンソンが特別ゲストでスタジオに来ており、控室でこの生放送を見ているという前提で「コリンがスカヨハの性的なジョークを言う」というスワップをやらされました。内容はここに書くのが憚られるほどひどく下品な内容でした…マイケル・チェはよくレギュラーを続けられるなと思うぐらい下品なジョークや差別的ジョークが得意な人間ですがこれは特にひどかった。
数ヶ月後、シーズン50最後のホストとしてスカーレット・ヨハンソンが登板。この回のWeekend Updateも特別にジョークスワップを行なっていたのですが途中でスカヨハが登場。おそらくコリンが用意した謝罪文(普段のマイケル・チェが絶対に言わないであろう自己憐憫や心からの謝罪や愛などを言うように仕向けた謝罪文)をスカヨハの目の前で読まされるということになりました。まあそれはそれとしてマイケルが準備したコリン用のニュース原稿がひどすぎて印象としてはマイケルに軍配ですが。なんにせよジョークは水に流す、と言う文化はあれどやはり謝罪はした方がいいよね、と思いました。
以上です。ここ最近感じていたことをつらつらと書いてみると想像以上に長大となって「俺、本当はSNLのこと大好きなのかも…」という気持ちになりました。しかしこうして振り返ってみるとやはりどうしても今アメリカが抱えている病状のようなものがSNLにも広がっていると感じてしまいます。例えばトランプによるトランスジェンダーへの弾圧をきっかけにディズニーなどのエンタメ業界にまで広がったDEI施策の見直しの影響や、深夜番組の名物司会者スティーヴン・コルベアがトランプと放送局の癒着疑惑について批判したところ30年続いた番組が打ち切りになったことの影響など、お上からの締め付けが怖くてお笑い番組が萎縮しているような気がしてならないのです。数年前には女性も有色人種もLGBTQも多様で豊かだったSNLがたった数年で今のような形になってしまったんです。それはまるで現在のアメリカの縮図のように見えます。僕が今のSNLに抱く違和感と不安はそのまま「あの憧れていたアメリカの変わっちまった姿」なんです。
しかしそんな中でもトランプ政権やアメリカ政治を徹底的にバカにしたり、共和党も民主党もリベラルも保守も笑いの対象にする反体制精神や反骨精神はまだありますし、積極的なホストやコメディアンたちの努力もあってポリティカルジョークの灯火は潰えてないと感じます。まだまだSNLは終わっちゃいない!と感じる瞬間が何度もあるんです。「シーズン51は大きな変化が起きる」と総支配人のローン・マイケルズが発言していました。彼の意図とは違うかもしれませんがSNLはよりよくなる(It Gets Better)と信じたいです。
ということで『サタデー・ナイト・ライブ』シーズン51は2025年10月4日から開始です!それではニューヨークよりサタデーナイトライブ!
2025/09/14追記:「7.エゴ・ウォデムが卒業」と、それに関連する人種多様性、女性キャスト数に関する文章に加筆修正しました。
海外で話題のホラー映画が日本で劇場未公開になるのなんでだろう
こんにちは、ビニールタッキーです。
今回はちょっと緊急で書き記しています。というのもここ最近アメリカでヒットしたホラーが日本で劇場未公開になるパターンをよく見かける気がするのです。決定的だったのは「死のピタゴラスイッチ」の愛称で日本でも親しまれてきたホラー映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズの6作目『ファイナル・デッドブラッド』が全米で大ヒットしたにも関わらず(しかも日本でも昔から愛されているシリーズにも関わらず)劇場未公開となったことです。
「【無念】劇場公開ならず」にライターさんの気持ちが溢れてて好感が持てます。
2025/10/07追記:劇場公開が決定しました!
「【やったぜ】」にライターさんの気持ちが溢れています。みんなの気持ちが届いた!よかった!10/10に公開です!
また、日本でも新たなホラーアイコンとなった踊って人を殺すAIロボットこと『M3GAN/ミーガン』の続編『M3GAN/ミーガン 2.0』が日本で突然公開中止になったニュースも記憶に新しいと思います。
こちらは本国での不振が原因と思われますが、公開予定だったものが中止になるという異例の事態に「洋画ホラー冬の時代」とまで囁かれました。
2025/10/07追記:アマゾンプライムビデオでの独占配信が決定しました!
しばらく見れないかもしれないと思っていたのでこれはうれしい!本来の公開日だった10月に合わせて10/21配信です!ありがたい!
ということでここ数年、アメリカで話題になっていたのに日本では劇場未公開となったホラー映画について個人的な備忘録として記しておきたいと思います。ここで絶対に知っておいてほしいのはあくまで私個人が気になっていたのに公開されなかった映画を羅列しているだけということです。つまり「あれがない。やりなおし」という意見はご遠慮ください。(あと「ホラーじゃないけどあれもあったよね」という意見も無しでお願いします。そんなんいっぱいあるわい!)というか私よりホラー映画に詳しい方はこの世にいっぱいいますので網羅的に知りたい方はそちらをご参考ください。一方で「配信とかDVDで見れるだけありがたいじゃん」という意見は本当にその通りです。世の中には海外の公開から1年以上経っても何の音沙汰もない映画なんてのもいっぱいあります。少なくとも日本版で見せてくれるということには感謝の気持ちがあります。ただ、ただ、映画好きなので劇場で見たかったという気持ちもあるんです。海外の映画ニュースサイトや映画評を見てばっかりいる人間が「これ映画館で見たかったな」と感じた未公開リストということでご承知おきください。
SMILE スマイル
2022/09/30 北米公開 → 2023/04/05 日本配信
北米配給:パラマウント
笑顔が怖すぎるホラー「Smile」2週連続首位!「アムステルダム」は3位に初登場【全米映画ランキング】 : 映画ニュース - 映画.com
2022年のベストホラー映画10本 ハリウッド・レポーターが選出 : 映画ニュース - 映画.com
全米映画ランキング2週連続首位。The Hollywood Reporterが選ぶ2022年ベストホラー映画6位。だけど劇場未公開。数年前の映画ですが、ここから「バイラルヒットホラーの日本劇場未公開」が始まったという印象があります。
スクリーム6
2023/03/06 北米公開 → 2023/07/12 日本配信
北米配給:パラマウント
ゴーストフェイスの恐怖再び…『スクリーム6』がシリーズ最高の出足:全米ボックスオフィス考|シネマトゥデイ
首位デビューでシリーズ最高のオープニング興収だったにも関わらず劇場未公開。自分は熱心なファンというわけではないですが、シリーズファンの方々の落胆する声をよく聞いた覚えがあります。しかし今をときめくジェナ・オルテガ(『ウェンズデー』)が出ていたというのに未公開とは。先の『スマイル』は日本がまだコロナ禍だったからという言い訳が出来るんですが2023年は日本でも普通に『THE FIRST SLAM DUNK』とか『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がヒットして映画館が完全に復活した年だったんですよ。
死霊のはらわた ライジング
2023/04/21 北米公開 → 2023/08/02 日本配信
北米配給:ワーナーブラザーズ
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」V4! 「死霊のはらわた」シリーズ第5弾は2位【全米映画ランキング】 : 映画ニュース - 映画.com
「死霊のはらわた」シリーズ第5弾にして2位デビュー、Rotten Tomatoesでスコア80%超えでも劇場未公開。日本でも映画ファンの間では愛されているシリーズだとは思うのですが。息の長い続編は新しい集客が見込めないという通説でもあるのでしょうか。
2023年の北米ヒットホラー映画といえば2023年9月29日北米公開から1年以上遅れて2024年10月18日にようやく日本公開された『ソウX』もありました(これも息の長い続編ですね)。最終的に劇場公開されたとはいえあれもなんだったんだろうと考えてしまいます。1年も待たされることなく早く見れるという点では『スクリーム6』や『死霊のはらわた ライジング』の方がやさしさがある、という考え方もできるのかもしれません。コロナ禍以降、何かとゴタゴタした時期だったのかもしれませんがこれも忘れられない事件でした。
スマイル2
2024/10/18 北米公開 → 2025/03/12 日本配信
北米配給:パラマウント
不気味な笑顔が誘う大ヒットホラー「SMILE スマイル」続編、首位デビュー!【全米映画ランキング】 : 映画ニュース - 映画.com
続編も首位デビューして主演がナオミ・スコット(実写版『アラジン』)でジャック・ニコルソンの息子のレイ・ニコルソンも出てるけど劇場未公開。1作目は未公開だったけど2作目は劇場公開するという『テリファー』パターンもあるので公開してもよかったのに。日本はスマイル後進国です。
コンパニオン
2025/01/31 北米公開 → 2025/05/28 日本配信
北米配給:ワーナーブラザーズ
事故で頭を失った警官&体を失った犬が合体!『ドッグ・マン』首位デビュー:全米ボックスオフィス考|シネマトゥデイ
全米初登場2位で『ブギーマン』『異端者の家』で注目のソフィー・サッチャーと『ザ・ボーイズ』『Mr.ノボカイン』のジャック・クエイドが出ていても日本未公開。ある意味『ミーガン』とは別種のAIホラーでありフェミニズムホラーでもあると聞いていたので未公開は残念です。
ハートアイズ
2025/02/07 北米公開 → 2025/07/02 日本配信
「ドッグマン」V2! バレンタインに現れる殺人鬼スリラー、キー・ホイ・クァン主演アクションコメディが登場【全米映画ランキング】 : 映画ニュース - 映画.com
ハート目の殺人鬼がバレンタインデーに暴れる映画。全米2位デビューでRotten Tomatoesでスコア80%超えでも劇場未公開。シーズンに合わせたスマッシュヒット的な映画ですが本当にさりげなく配信スルーになっていたのでしばらく経ってから気付きました。
M3GAN/ミーガン 2.0
2025/06/27 北米公開 → 2025/10/10の日本公開予定が中止
北米配給:ユニバーサル
米ホラー映画「ミーガン2.0」が日本公開中止 一体なぜ?X悲鳴...配給会社の反応は(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース
日本版の予告やポスターアートまで作られたのに劇場未公開どころか公開中止という異例の事態でした。ただしこれは北米でかなりコケてしまったらしいので日本側というより本国側の判断だと思われます。(たぶん配給の東宝東和さんが一番びっくりしただろうと思います。)ミーガンについては前作『M3GAN/ミーガン』が2023年1月公開予定から6月公開予定に突然延期されたことがありました。あれも結局原因不明のままです。
余談ですが『M3GAN/ミーガン』についてはプライムビデオで見放題配信が開始したと思ったら劇場公開版ではなく残酷描写がカットされていないアンレイテッド・カット版だったという珍事もありました。あれもなんだったんだ?サービス?
本当だ!アマプラで配信開始した『M3GAN/ミーガン』、本国でも配信されたアンレイテッド・カット版じゃん!(区分がPG12→R15+になってる)耳引きちぎりとか高圧洗浄機のシーンははっきり見せてるしエレベーターの殺害シーンは血の量が増えてる。これ見たかったから嬉しい!https://t.co/LpIHwmg8kb
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2023年12月30日
様々なことがあった『ミーガン』ですが、今後のブラムハウス映画の公開に影響が出ないことを願うばかりです。
ウルフマン
2025/01/17 北米公開 → 2025/10/22 日本ソフトリリース
北米配給:ユニバーサル
クラシック・ホラー『狼男』が現代に蘇る リー・ワネル監督×ブラムハウス製作『ウルフマン』10月リリース – ホラー通信
ちょうどこの記事を書いてる最中に入ってきた未公開映画。こちらも北米で興収が不振だったためと思われます。大傑作『透明人間』の記憶も新しいリー・ワネル監督の狼男映画が振るわなかったのは残念ですが見てみたい映画です。やはりブラムハウスの今後が心配です。この一連の大コケでジェイソン・ブラム本人はかなり凹んだみたいです。
ファイナル・デッドブラッド
2025/05/16 北米公開 → 2025/10/22 日本配信&ソフトリリース
北米配給:ワーナーブラザーズ
『ファイナル・デスティネーション』新作が北米No.1 シリーズ最高スタート&異例の高評価|Real Sound|リアルサウンド 映画部
『ファイナル・デスティネーション』シリーズ6作目にしてジョン・ワッツ(MCU版『スパイダーマン』シリーズ)を製作に迎えて北米1位を獲得し、あまりの人気に7作目の制作も速攻決定した快作がなんと衝撃の劇場未公開。これには本当にびっくりしました。当然やるものだと思っていたのですが『コンパニオン』の未公開、『ミーガン2.0』の公開中止と海外ホラーの風向きが怪しくなってきたところにトドメのように舞い込んできたニュースでした。「これが公開されないことが一番のホラー」という声もありました。
ここからは少し話題を変えます。こちらは今にして思うとよく日本公開してくれたというホラー映画。
罪人たち
2025/04/18 北米公開 → 2025/06/20 日本公開
北米配給:ワーナーブラザーズ
「ブラックパンサー」監督×マイケル・B・ジョーダン最新作「罪人たち」6月20日公開決定 IMAXでも上映 : 映画ニュース - 映画.com
全米2週連続首位、Rotten Tomatoesで批評家スコア98%、観客スコア97%という脅威の数値で絶賛ムードだったのですがなかなか日本公開の発表がなくハラハラしました。勢い余って1日100回素振りをする #Sinners日本公開祈願 という願掛けをしたりしました。
まずは素振りを100回やりました。 https://t.co/vItxvs5ANc pic.twitter.com/lF6nZ22R24
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2025年4月28日
そんな中、突如として日本公開決定の報道がありました。しかも公開日まで1ヶ月を切っている状況での発表で、公開する映画館の数も通常のワーナー映画に比べると小規模で「本当に急遽公開が決まったんだな」という印象でした。何にせよ素振りをした甲斐があったというものです。しかし改めて考え直すと『ブラックパンサー』のライアン・クーグラーという有名監督の作品とはいえ、完全オリジナル&アメリカ南部のアフリカ系の歴史物語&吸血鬼ホラー映画という日本の一般観客にはかなり取っ付きにくい内容なのによくぞ公開してくれた(しかもIMAXカメラで撮影した映画なのでラージフォーマットも確保してくれた)ということで感謝の気持ちでいっぱいです。今の状況を見ていると事と次第によってはマジで公開されなかったかもと今でも少し震えます。
そして最後はこの先日本公開が最も心配なホラー映画。
Weapons
2025/08/08 北米公開 → ???
北米配給:ワーナーブラザーズ
海外でR指定ホラー映画『Weapons』が異例の大ヒットを記録、スティーブン・キングも「非常に恐ろしい。大好きだ」と太鼓判
2025年8月現在北米で異例の大ヒットを巻き起こしている群像劇ホラー映画『Weapons』。『バーバリアン』のザック・クレッガー監督・脚本による新作ホラー映画でジュリア・ガーナー(『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』)、ジョシュ・ブローリン(『アベンジャーズ』『ボーダーライン』『DUNE』)、オールデン・エアエンライク(『ハン・ソロ』『コカイン・ベア』)、ベネディクト・ウォン(『ドクター・ストレンジ』)と豪華キャストでも話題になっています。
しかし…見てください。配給がワーナーなんです。『コンパニオン』も『ファイナル・デッドブラッド』も公開が危ぶまれた『罪人たち』もワーナーです。とても不安なんです。なんとかして劇場公開してくれと嘆願したい気持ちでいっぱいです。
自分はホラー映画大好き!と声高に言えるほどのコアなファンではないのですが、海外で話題になった映画が日本で公開されないと悲しくなりますし、それには当然ホラー映画も含まれます。ここ最近は海外の評判を聞いても「でもちゃんと日本公開されるのかしら」と不安になることの方が多いです。特に大手スタジオ(ワーナー、ユニバーサル、パラマウントなど)のホラー映画だと知ると、日本公開への期待値は半減します。そんな精神状態になってしまっているのです。
例えばA24のホラー映画だったら独占契約のハピネットファントム・スタジオが公開してくれますし、他にもプーニバース映画(『プー あくまのくまさん』をはじめとしたパブリックドメインホラー映画群)や、これまた海外でスマッシュヒットした殺人鬼目線ホラー『バイオレント・ネイチャー』を日本ではアルバトロス・フィルムが公開してくれたりと信頼のおける配給会社さんもいます。逆にNEONのホラー映画は日本での配給会社が定まっていないので『ロングレッグス』も『IMMACULATE』も日本公開まで異様に時間がかかったしハンター・シェイファー主演の『Cuckoo』はいつになったら公開されるんだ!?など不安があります。そして先述した通り大手スタジオの場合は今や不安しかありません。日本製のホラー映画はホラー小説のブームなどもあって絶好調ですが、海外製のホラー映画は内容のクオリティとは別に劇場公開という点で不遇の時代に入ったと肌感覚で感じます(日本製ホラーが好調だからこそ海外製ホラーが不遇という可能性も…?)。これ以上そうならないためにもまずは『Weapons』を!『Weapons』の日本劇場公開をお願いします!ということでこの記事は締めたいと思います。また素振りするしかないのか。
2025/08/26 追記:『死霊のはらわた ライジング』『ソウX』『M3GAN/ミーガン』についての言及を追加しました。
2025/10/07 追記:『ファイナル・デッドブラッド』の劇場公開決定、『M3GAN/ミーガン 2.0』のアマプラ配信決定について追加しました。
2024年映画ベストテン+α

こんにちは、ビニールタッキーです。
2024年もいっぱい映画を見ることができました。ありがたいことに試写のご案内を頂く機会も増えたうえに東京に行くたびにミニシアターを訪れる趣味を始めたために幅広いジャンルの映画を見ることができました。それでも見れたのはだいたい新旧含めて約140本ぐらいでしたね。年間1000本ぐらい公開されている中でこれは少ない方だと思いますが、それぐらいの人間が考えたベストだと捉えてください。ちなみに毎年恒例ですがベストテンだけでは全然収まらなかったので今年もベスト20と枠を広げてご紹介したいと思います。ここ数年の過去のベストテン記事は以下をご参照ください。
それでは早速行ってみましょう!
- 第20位 私にふさわしいホテル
- 第19位 エストニアの聖なるカンフーマスター
- 第18位 悪魔と夜ふかし
- 第17位 ブルックリンでオペラを
- 第16位 アメリカン・フィクション
- 第15位 インサイド・ヘッド2
- 第14位 エイリアン:ロムルス
- 第13位 ツイスターズ
- 第12位 密輸 1970
- 第11位 トランスフォーマー/ONE
- 第10位 ドライブアウェイ・ドールズ
- 第9位 チャレンジャーズ
- 第8位 クワイエット・プレイス DAY 1
- 第7位 ノーヴィス
- 第6位 モンキーマン
- 第5位 人間の境界
- 第4位 美と殺戮のすべて
- 第3位 ポライト・ソサエティ
- 第2位 異人たち
- 第1位 ロボット・ドリームズ
第20位 私にふさわしいホテル

相変わらず邦画はそんなに見れなかった年でしたが、年末最後に映画館で見た『私にふさわしいホテル』はとてもよかったです。のんさんの弾ける演技とどんな服を着ても似合う魅力もさることながら「悪くて嫌な人間が嫌な奴に復讐する話」という感情移入に重点を置く人とっては全く共感できなそうな話がめちゃくちゃ面白いのが最高です。原作者の柚木麻子先生が「恋愛描写もなく加代子が最後の最後まで性格が悪くてよかった」と仰っていたのですが、まさにその通りの映画でした。堤幸彦監督作ということで加代子と東十条の関係が一瞬『TRICK』の山田と上田みたいになるところで笑ってしまいました。それでいてメッセージはとてもまっすぐで真摯なのがよかったです。どうしても年末年始の映画は忘れられがちになってしまうのでこれはベスト20に入れました。
第19位 エストニアの聖なるカンフーマスター

エストニアのゴシック映画『ノベンバー』のライナル・サルネット監督の新作が「カンフーとブラック・サバスと修道士をごちゃまぜにした映画」と最初に聞いたときは何かの間違いかと思いました。確かに本当にその通りの映画なのですが、こんなにハチャメチャな見た目の中に政治的な面もあるのがとても良いと感じました。ロシアの占領によって物資も娯楽も制限されたエストニアで、若き青年がブラック・サバスとカンフーで人生の意味を見出す物語なんですよ。でも起きることの大半はハチャメチャですし、どこまでが本気でどこまでがギャグなのかもわからない感じも正直あります。でもなぜか惹かれてしまう。「映画ってこんなに自分の好きなことを詰め込んでいいんだ!」と少し感動すら覚えました。とにかくこの映画があったことを忘れずにいたいという意味で19位に入れました。
第18位 悪魔と夜ふかし

70年代、視聴率の芳しくない深夜番組が企画した「生放送中に悪魔憑きの儀式を行う」という特番が最悪の放送事故を招いた。これはその一部始終を収めたビデオテープである…というオカルトホラーxファウンドフッテージを組み合わせた良作です。クリストファー・ノーラン、ジェームズ・ガン、ドゥニ・ヴィルヌーヴなどの大作映画で光る演技を見せてくれる名脇役デヴィッド・ダストマルチャンがホラー映画好きという側面をクリエイティブでも演技でも活かしまくった映画がこの『悪魔と夜ふかし』です。オーストラリアの新鋭監督ケアンズ兄弟と組んで「70年代の深夜に放送されたあやしい番組」をできるだけ再現しているのがとても魅力的です。あくまで「オーストラリアから見たあの頃のあやしいアメリカ」という一歩引いた視点が入っているのが特徴的だと思います。そして映画全体に散りばめられた伏線と「カメラに映り込んでしまったもの」の見せ方が実に上手い。こういう手の込んだ映画を見ると映画って面白いなーとシンプルにうれしくなります。
第17位 ブルックリンでオペラを

タイトルやポスターから感じる軽い感じのラブコメかな?という予想が大きく裏切られる、実によくできた映画になっています。スランプ中のオペラ劇作家と潔癖症の精神科医の夫婦、その息子と恋愛関係にある女の子、偶然バーで出会った変わった雰囲気の貨物船の船長、この一見バラバラの人間模様が最後に結実するお話が実に上手くて面白い!ラブコメの要素もあるんですが、より正確に言うと「行き詰まった人々が新たな出会いで前進する」お話です。何よりも困っている未成年の若い2人を助けるために大人たちが一計を案じて奮闘するという話がいいじゃないですか。後半の方に出てくる「南北戦争のコスプレをして再現する人たち」(リエナクトと呼ぶそうです)のカルチャーもあまり馴染みがなかったので勉強になりました。ピーター・ディンクレイジもマリサ・トメイも最高ですし、アン・ハサウェイが脚本に惚れ込んでプロデューサーを担ったという話も素敵です。一点何か言うとしたらタイトルはやはり原題の「She Came to Me」(彼女が舞い降りた)で良かったと思います。
第16位 アメリカン・フィクション

日本ではアマプラ配信となってしまいましたがとても印象に残った一作です。アフリカ系アメリカ人のインテリ小説家がヤケになってドラッグ!犯罪!貧困!というステレオタイプな黒人ギャングになりきって架空伝記を書いたら大ヒットしてしまうというサタイア。「黒人のステレオタイプをありがたがる白人たち」を皮肉たっぷりに描く場面も抜群に面白いのですが、もう一つの側面である「白人キャストで散々描かれてきたような中産階級の家族ドラマを黒人一家で描く」という部分もとても興味深く楽しめました。インテリ主人公の苦悩、アルツハイマーの母、ゲイの弟、などなど本当〜〜〜に白人キャストで何度も何度も見たようなドラマを改めて黒人キャストでやることで、存在していたのに描かれなかった人たちの物語が見れた気がしました。最後まで意地悪でひねりの効いたオチも最高でした。
第15位 インサイド・ヘッド2

北米では2024年興行収入ランキング第1位に輝いた堂々たるピクサー映画。前作と同じく脳科学や精神医学の専門家の監修を得つつそれらをどのように面白くて楽しいアニメーションとして具現化するかという実験精神に満ちている映画でした。特に今作はライリーが思春期に突入したということで「自意識」に関する描写が主な要素でした。色々と先走って考えてしまったり相手の気持ちを勘ぐりすぎて自意識が暴走する脳内を映像化するという画期的な試み。前作で和解したヨロコビとカナシミがお互いを信頼してチームプレイを見せるところがよかったですね。まさに喜びと悲しみの混じった感情が人を成長させるという前作の物語を思い起こさせる描写です。さらにヴィラン的役割になってしまったシンパイも決して悪い奴ではなく、かつてのヨロコビのように「ライリーを守りたかった」というところが共通しているところにグッときました。これは絶対に言っておくべきことなのですが日本語吹替版の多部未華子さんのシンパイの吹き替えが本当に素晴らしいので吹替版がオススメです。
第14位 エイリアン:ロムルス

『エイリアン』と『エイリアン2』の間に起きた物語。実はこの2作は監督が違う(1はリドリー・スコット、2はジェームズ・キャメロン)のでエイリアンの事象に対する思想が違っているのですが、その2人の思想をうまいこと混ぜ合わせて、さらに3や4や『エイリアンvsプレデター』の要素まで拾い上げて「全てのエイリアン映画の美味しいところをつまんできた」映画になっています。メインの物語も「炭鉱惑星で働く若者たちが一発当てるために放棄された船に乗り込む」という切実な内容です。この炭鉱惑星の描写が秀逸で、まさに巨大企業に搾取されるZ世代を反映しているように見えます。(海外で評判なのもその影響では?と思います)エイリアンシリーズで常に描かれる人間とアンドロイドの複雑な関係を「疑似的な姉弟関係」にすることで新たな面を見せるところも実にうまくてよかったですね。そして肝心のゼノモーフもスラッシャー映画における忍び寄る殺人鬼のようであり明確に不気味なクリーチャーでありという要素をさらに強調するような見せ方になっていました。このようにシリーズの要素を加味しつつさらに新たな部分を見せてくれたということでフェデ・アルバレス監督よくぞやってくれた!とあっぱれな気持ちになりました。
第13位 ツイスターズ

『ツイスター』(1996年)の続編、しかも監督が『ミナリ』のリー・アイザック・チョン、と聞いた時はどんな映画になるんだ?と思いましたが蓋を開けてみればこれほど王道なハリウッドエンタメ超大作映画も久しぶりに見た!と爽やかな気持ちになりました。アメリカ中西部の圧倒的な竜巻のディザスター描写と、竜巻チェイサーたちの人間模様と、反発し合う男女が徐々に惹かれ合う恋愛物語をバランスよく組み合わせた良作です。このバランスが本当に絶妙で、竜巻は本当に恐ろしい災害として描かれ、竜巻チェイサーたちは一人一人顔と名前が覚えられるほど個性豊かで魅力的に描かれ、恋愛描写は甘酸っぱいけどくどくない。王道のハリウッドエンタメですが人種バランスや恋愛の見せ方などは最新型という感じでなのがとてもいいですね。今完全に油が乗っているグレン・パウエルの「いけすかない野郎かと思ったらいい奴」感が見事に活かされていました。「マチズモ全開のカウボーイ野郎かと思ったら仲間思いだし恋愛もオラオラ系ではなく一歩引いた距離感を保てる」なんて夢みたいなキャラを嘘っぽくなく演じられるのはまさにグレン・パウエルしかいないと感じました。せっかくなのでと思って4DXで見たら座席から振り落とされるかと思うぐらいジェットコースターみたいな体験をしたのもいい思い出です。
第12位 密輸 1970

密輸に手を染めた海女さんたちが本物のマフィアや警察に追い詰められた末に一世一代の大勝負に出る!ギラギラの衣装、味の濃い演歌、これまた味の濃いコテコテのキャラクターたち、マフィアと警察とはぐれものたちの騙し合い合戦、とまるで昔のやくざ映画のようなギラギラした魅力に溢れた映画でした。主人公たちが中年女性たち、しかも職業として下に見られてしまいがちな海女さんたちというのもめちゃくちゃよかったですね。いくらタフな彼女たちでも喧嘩早いヤクザ連中に襲われたら勝ち目がないんじゃ…と心配していると舞台が海中に移って「あーあ、ヤクザたち死んだわ」とニヤニヤが止まらなくなるという最高のカタルシスを体験しました。それでいて韓国の歴史的な背景(なぜ彼女たちが密輸に手を貸すようになったのかというあたり)なども盛り込まれていて隙のない映画でした。改めて韓国映画のクオリティの高さに唸りました。
第11位 トランスフォーマー/ONE

永遠のライバルであるコンボイとかつて2人は唯一無二の親友同士だった。「そんなの見たら絶対辛い気持ちになっちゃうじゃん」という予想のその通りの映画でした。しかし親友同士が仲違いするという箇所も面白いんですが、この映画がすごいのはそこに至るまで、なんなら映画が始まってすぐから既に無類に面白いということ。機会生命体たちの日常や世界観も面白いし、彼らが住んでいる惑星の構造、さらに秘められた謎の描写もめちゃくちゃ面白い。そして忘れられないのがこの映画が労働組合の話であるということです。権力者に搾取されていた市民が立ち上がる、という話はよくありますが、この映画ははっきりと労働者の抗議行動として描いていることです。まさかトランスフォーマーの映画を見に行って労働組合の話が観れると思っていなかったので意表を突かれると同時によくできていると感心しました。もちろん2人の仲違いに至るプロセスも実に丁寧に積み上げられていて、とにかく「非常に丁寧でよくできてるうえにアニメのクオリティも高くて物語も現実的」というものすごいバランスの映画になっていました。
第10位 ドライブアウェイ・ドールズ

レズビアンの親友2人が車旅行で乗り込んだレンタカーはとんでもない積荷を乗せた車だった!謎の追手に巻き込まれてのんびり車旅行は危険だらけの珍道中に!コーエン兄弟テイストの話にテルマ&ルイーズのようなロードムービーフレイバーとレズビアンの物語をたっぷり振りかけた良作。それもそのはずで監督&脚本はイーサン・コーエンと彼のパートナーでレズビアンでもあるトリシア・クック(この夫婦は結婚しているがお互いの自由恋愛を認めている関係)がお互いのテイストを十分に発揮した映画になっているのです。自分はいつもベストテン第10位には「この映画のことは絶対に忘れたくないし何が何でも推したい」という映画を選ぶのですがまさにこれは第10位映画に選びたい映画です。確かにヘンテコで下品な映画ですしアカデミー賞候補に上がるような高尚な作品ではないのですが、男性主人公で散々作られたハチャメチャロードムービーをレズビアン主人公で作ったということを強く推したいんです。しかも主人公を含め登場する女性がほぼ全員レズビアンでしかも全員楽しそう!さらにみんな悲劇的な目に遭わない!このことを絶対に寿ぎたいんですよ!こういうゆるくて楽しくて、でも今まで描かれなかったような人たちの映画がもっとあるべき!と強く感じた映画です。
第9位 チャレンジャーズ

「テニスプレイヤーの男2人女1人の三角関係の物語」がなぜか海外で大受けしてる上に日本でも確かな映画ファンが高評価を付けている…なんで?と思っていたのですが実際に見て納得しました。これは確かに面白い。男2人がテニス大会で戦うことになるまでの過去の因縁ともつれた関係性を紐解く話が異様にいいテンポとキレのいい編集で語られるのがとにかく面白い。しかも女1人を男2人が取り合うような単純な三角関係ではなく、男2人にも明確に恋愛の空気が流れるという「完璧な三角関係」になってるのがとても画期的だと感じました。トレント・レズナー&アッティカス・ロスのほぼテクノというべきサントラもこのキレの良さに拍車をかけていました。しかし本当に面白いのにこの面白さを説明できないんです。元々映画の面白さを伝える語彙力が少ないためいつももどかしい気持ちになるのですが、今作は特に自分の限界を感じる映画でした。とにかく見てほしい。実はこれがルカ・グァダニーノ作品の初体験だったんですが「ルカとはウマが合うぞ」と感じた一作でした。
第8位 クワイエット・プレイス DAY 1

2024年で最も予想を裏切られた映画がこれです。あの『クワイエット・プレイス』シリーズの前日譚、しかも舞台はあの「音に反応して標的を抹殺する謎の生命体」がニューヨークに現れた1日目(DAY 1)を描くということで何をどう考えてもパニック映画になると思うじゃないですか。そうはならなかったんですよ。もう公開からだいぶ経ったので言ってしまいますがこの映画は余命モノです。末期ガンの主人公が人生の最後にNYにあるピザ屋でピザを食べたいと思ったその日にあの生命体がやってくる。死にたくないと逃げ惑うNY市民に対して「どうせ死ぬんだから」とピザ屋に向かう主人公。その道中で死にかけのところを偶然助かった男と知り合い2人で助け合いながらピザ屋に向かう…という物語なんです。起きていることは確かにパニック映画なのですが、主軸は「死に場所を見つける2人の物語」というとても静かで穏やかな映画でした。しかもこの2人(ルピタ・ニョンゴとジョセフ・クイン)の関係が恋愛などではなくお互いを気遣い助け合う関係になっているのがとてもいいんです。そして最後は「生きるとは何か」「死ぬとは何か」を描く感動的な話になっているのです。前2作のジョン・クラシンスキー監督から引き継いだマイケル・サルノスキ監督(あの傑作『PIG/ピッグ』の監督!)がメジャー大作の続編でここまで大胆な路線変更をしたことに確かな才能を感じました。完全に予想を裏切られましたが本当に大好きな映画です。
第7位 ノーヴィス

ボート競技に異常なまでにのめり込む大学生のお話。スパルタものというと『セッション』のように教師に徹底的にしごかれたり『ブラック・スワン』のように性的な部分も含めて搾取されたりという感じですがこの映画のように「自分で自分を極限まで追い込む」という話は見たことがなかったので驚きました。しかもその追い込み度が度を過ぎているのが凄まじい。これが実際の監督自身の経験に基づいているということにさらに驚きます。音響出身の監督ということで主人公ノーヴィスがゾーンに入った時の心象風景や不穏な空気が流れるたびに聞こえるカラスの声など音響のこだわりがすごいのも印象的です。そしてもう一つ、この映画はノーヴィスが女性と恋愛する描写があります。これが実に丁寧に描かれているうえにメインストーリーの方にはあまり影響しないというさりげなさ。映画の中で同性愛が登場すると極端にフォーカスされたり劇的なものとして描かれがちですが当たり前のこととして描かれているのがとても良いと思いました。(最初は異性愛の恋愛を想定していたらしいんですが、監督が「なぜ私は異性愛者じゃないのに異性愛描写を書かなきゃならないんだ?」と思い直したというエピソードもいいです)そして何よりもイザベル・ファーマンの熱演!『エスター』で評価された俳優さんですがさらに新たな一面を見せてくれたという点でも最高の映画でした。
第6位 モンキーマン

幼い頃母親を殺され村を焼かれた青年が張本人を見つけて復讐を決行する。地方の村が焼かれたこと、青年を含む国民が苦しい生活を続けていること、国の中では差別を受けている人々がいること、それら全てが腐敗した権力によるものだということが描かれます。青年の復讐は個人的な報復がきっかけですが、彼を助けてくれたヒジュラー(インドにおける第三の性、トランスジェンダー)の人々との交流の中で「正義のため」という動機も付与されます。ここまで腐敗した政治に対する明らかな怒りと差別を受ける人々との連携を示す挑戦的な作品をデブ・パテルが監督・制作・原案・主演まで務めて作ったということに気骨を感じました。実はデブ・パテルはアクション映画のファンでいつかそういう映画を作りたかったということを発言しています。確かにスーツ姿で戦うデブ・パテルにはジョン・ウィックみもありますが、バイオレンスの容赦なさ(韓国映画)やその場にある小道具で戦う(ジャッキー・チェン映画)、高層ビルを上がっていきながら戦う(死亡遊戯メソッド)、という感じで節々にアクション映画の影響とリスペクトを感じました。そういったエンタメ要素の強いアクション映画に明確な政治的メッセージを込めたというのが本当に素晴らしいと思いました。しかもこの映画で描かれる腐敗した政治が、警察や芸能人や宗教指導者とも癒着しているという描写に全く他人事ではないと強く感じました。先日この世を去った世界的タブラ奏者のザキール・フセインの俳優としての遺作となった点でも覚えておきたい映画です。
第5位 人間の境界

ポーランドとベラルーシの国境。ベラルーシ経由でポーランドに入ればEU圏内に亡命できると信じて越境してきた様々な国の難民たちがポーランド側から強制的に返されるが、ベラルーシ側も受け入れないためどちらにも行けず国境地帯で地獄の苦しみを味わうという過酷な状況が起きていました。この実際に起きている国境問題を知らしめるために作られたのが本作です。国が隠蔽する問題を取り上げるために極秘で作られ、公開に際してもポーランドの右派から妨害を受けるという事態も発生したとのこと。そんな状況下で公開されたこの映画が各国の映画祭で絶賛され、日本に住む自分もこの国境問題の存在を知ることができました。映画の内容もモノクロで捉えられた生々しい映像がまるでドキュメンタリーのようで常に緊迫した空気が張り詰めていました。中東から逃亡してきた難民、国境警察、難民たちを自力で救おうとするボランティアたちなどなどこの問題にまつわる人々の群像劇になっていて、それぞれがそれぞれの立場で最善を尽くそうとする姿が描かれています。本当に絶望しかない本作ですが、それでも最後は希望を示すような映画になっているのが救いであり「こうなるには我々はどうすればいいのか」という課題を観客に突きつける映画でした。難民・移民問題がここ日本でも全く他人事ではない今、とてもインパクトのある映画でした。
第4位 美と殺戮のすべて

個人的に今年最も影響を受けた映画です。写真家ナン・ゴールディンが自身も中毒となった医療用鎮痛剤オピオイドに対して抗議活動を行います。戦う相手は中毒性を知っていたにも関わらずオピオイドを医療界に売り込んだことで巨万の富を得たサックラー一家。サックラー一家は美術館へも出資しているため、ナンは自身の写真も展示されているような有名美術館に対しても大々的なパフォーマンスで抗議活動を行います。このナンの精力的な抗議活動と、ナンの半生が自身のナレーションで語られ、同時並行で描かれるというかなり変わった形のドキュメンタリーとなっています。このナンの半生がとても魅力的で、ゲイやクィアやサブカルチャー、ニューウェイブやノーウェイブなど、中心よりも端に追いやられてしまった人々の側に焦点を当てて写真を撮り続けてきたナン・ゴールディンが、今こうして抗議活動の先頭に立っているのは地続きであるということがわかります。人物とデモ活動にフォーカスしたドキュメンタリーですが映像やショットがとても美しいのが印象的で、それが『美と殺戮のすべて』(All the Beauty and the Bloodshed)という言葉にも繋がっていると感じました。個人的にはここ数年デモや署名活動に参加する機会が増えたのですが、少し無力感を感じる時もあります。そんな時に「いやナン・ゴールディンは諦めなかったぞ」と鼓舞してくれるような映画になりました。
第3位 ポライト・ソサエティ

この映画について推薦コメントを依頼された時、「こんな映画が見れて本当にうれしい!」と書いたのですが、これがこの映画に対する本心です。パキスタン系イギリス人でスタントウーマンを志す高校生が、大好きな姉の婚約相手がとんでもない一家だと知って救い出そうとするアクションコメディ。保守的な価値観から繰り出される「女性がアクションなんて無理」「お前はスタントウーマンになれない」「早く誰かのお嫁さんになれ」というレッテルを回転蹴りで蹴り飛ばすような快作です。家父長制や女性差別への抵抗、女性は子ども産むべきという不気味な風潮へのカウンター、アクションを目指す女の子の苦労、移民家庭が移民先の国で生きていくことの難しさなど、この映画で特筆すべきことは挙げたらキリがないのですが、個人的に一番好きなのは主人公の友達が友達思いのいい奴らということです。基本的には悪友でいつもふざけあってるような友達なんですが「それだけは絶対に許せねーよな!」という一点で結束できるところに連帯や連携の強さを感じました。全体的にはエンタメでありクスッと笑えるコメディなのですが、テーマはとても切実で現代的で先進的です。監督のニダ・マンズールや主演のプリヤ・カンサラも発言していたのですが「自分が若い頃にこういう映画があったらうれしかった、と思う映画を作った」という言葉にこの映画の意義が込められていると思います。『ポライト・ソサエティ』を見て育った若者たちに幸あれと強く思います。
第2位 異人たち

山田太一の小説「異人たちとの夏」をイギリス人監督のアンドリュー・ヘイが映画化。さらに監督の自身の過去やゲイであることを反映した映画化ということで極めてパーソナルな映画となっています。そのためこの作品自体が持っていた孤独や寂しさといった感覚に「ゲイであることによる孤独」という要素も加味されているのがとても味わい深いと感じました。主人公が自身の生家で出会う若い両親も、主人公がゲイであることについての率直なリアクションが「本当にこういうものなんだろうな」というリアル感をもって表現されていました。この若い頃の両親と出会うという部分のマジックリアリズムの使い方が絶妙で現実なのか幻想なのか曖昧なところが観客に解釈を委ねているようでとても良いと思いました。ラストの物語の広がり方も忘れられません。もう過ぎ去ってしまった全てのクィアな人たちをそっと抱きしめるような映画になっていて本当に深く深く感動しました。劇中で流れるペット・ショップ・ボーイズの「Always on my mind」が歌詞を読めば読むほどこの映画のテーマを歌っているようで泣いてしまいます。
第1位 ロボット・ドリームズ

何やらスペインの監督が作った2Dアニメ映画が話題になっている、シンプルな絵柄とセリフなしの映画だが各地の映画祭で絶賛されている、という話を聞いた時は「へーおもしろそう」ぐらいの感想でした。それが後に一生忘れられない102分間になるとは。はっきり言ってしまえば「出会いと別れの物語」なんですが、そのきらめきも悲しみも全て含めて描写しきっているところが本当に素晴らしいんです。「あの時ああすればよかった」「もしこうしていれば違っていたかもしれない」と色々悩んでいても人生は前に進むし、自然と違う道が拓けていくということ。人生で誰もが経験する別れの時のやるせなさと後悔、「でもまあ、しょうがないか」という諦観も含んだあの感覚。あの感覚を呼び起こさせてくれるんです。実は後半に登場するラスカルさんとドッグ&ロボットは街ですれ違っていたという周到さも素晴らしい。ここに「袖振り合うも他生の縁」というニュアンスがこめられているように感じるのです。人生におけるあの言葉にならない感情を物語にしてくれたという点で本当に忘れらない、大好きな映画になりました。多分この先アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」を聞くたびにこの映画のことを思い出して目を潤ませることになると思います。
以上です。
2024年は意識的に映画を見るようにしていたんですが、それでも見逃しているものはたくさんありましたねえ。ただ、最近は「何でも見る」というより「自分のアンテナに引っかかったものを優先的に見る」という風に意識を変え始めました。それでもたまたま時間が空いたので映画館に駆け込んで見た映画がよかった、みたいな体験もあるのでなかなか難しいところですよね。まあそんな感じで2025年も映画を見ます!皆さんも楽しい映画ライフを!
2024年映画お仕事まとめ
こんにちは、ビニールタッキーです。
2024年も様々な映画関係のお仕事をさせて頂きました。本当にありがとうございます。主に応援コメントの寄稿、雑誌の記事、対談、さらに今年は連載コラムなどもやらせて頂きました。色々と挑戦した年になりましたね〜。特にコメントについては「こいつわかってんじゃん」「いいコメントだ」「安心して映画を見に行ける」なんて言われると小躍りするぐらい喜んでいます。(ちゃんと皆さんのリアクションを見てますよ!ありがとうございます!)
ちなみに去年も映画お仕事まとめ記事を書きましたのでご興味のある方はどうぞ。
それでは今年もいってみよう!
1月
『梟ーフクロウー』コメント
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— ショウゲート洋画公式 (@showgate_youga) 2024年1月24日
映画『#梟ーフクロウー』
絶賛コメント到着
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見えない者が「見た」真実を
梟のごとく鋭く突く!
映画宣伝ウォッチャー#ビニールタッキー さん @vinyl_tackey
🦉https://t.co/gHgzTW5jSh
𝟸.𝟿 𝚁𝙾𝙰𝙳𝚂𝙷𝙾𝚆 pic.twitter.com/fnMeitEFhU
朝鮮王朝の古い文献に残る王の怪死事件について盲目の鍼師の視点から独自の考察を取り入れて映画化したという映画『梟』。権力の前で見て見ぬふりができなかった男の政治的な映画でもありました。大好きなユ・ヘジンの怪演もよかったですねえ。
2月
映画ナタリー 月刊おもしろ映画宣伝2月号
今年2月は記念すべき「月刊おもしろ映画宣伝」が始まった月です!このブログで1月に始めた月刊おもしろ映画宣伝1月号が映画ナタリーさんの目に留まり「連載しません?」とお声がけ頂いたのがきっかけです。
こんなコアなネタ、正式なメディアに掲載なんて絶対に不可能だと思っていたんですがまさかできるとは!なんでもやってみるもんだ!そして映画ナタリーさんありがとうございます!
Hulu公式note 『劇場版「きのう何食べた?」』紹介記事
「きのう何食べた?」については実はこの記事を書くまで未見でした。記事執筆のご依頼を受けてから見逃していたドラマ版と映画版を見返してみて、かなり社会的メッセージもこめられている作品だと知りました。こっそり裏話をすると結構自分の言いたいことが溢れすぎて何度も何度も書き直した記事でした。それだけ苦労した記事ですので自信のある内容となっています。
Hulu公式note 『ツイステッド・メタル』紹介記事
2月はよく働いたな!同名の大人気ゲームを実写ドラマ化した『ツイステッド・メタル』の紹介記事です。大好きなアンソニー・マッキーとステファニー・ベアトリスが世紀末感全開の荒野をイキのいい車で爆走するという楽しさしかないドラマです。記事でも触れましたがクリエイター陣が『ゾンビランド』『デッドプール』『コブラ会』などを手掛けた人たちということでまさに「あのテイスト」を感じられるおすすめ作品です。
『RHEINGOLD ラインゴールド』コメント
◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢
— 映画『RHEINGOLD ラインゴールド』公式 (@FatihAkin_movie) 2024年2月18日
⛓️𝘾𝙊𝙈𝙈𝙀𝙉𝙏⛓️#ビニール・タッキー さん
(映画宣伝ウォッチャー)@vinyl_tackey
◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢ #ファティ・アキン 監督最新作#RHEINGOLD #ラインゴールド
3月29日㊎より、全国順次ロードショー https://t.co/aEQ06h3gMf pic.twitter.com/4tVnlAwJFG
『RHEINGOLD ラインゴールド』のコメントについては見てもらうとわかるんですが某有名ラップ曲のパンチラインにオマージュを捧げました。ダメかな…と思ったらすんなりOKをもらってホッとしました。
『FEAST -狂宴-』コメント
☽ ⋰ 𝘾𝙊𝙈𝙈𝙀𝙉𝙏 ⋱ ☽
— 百道浜ピクチャーズ (@momochihama_pic) 2024年2月23日
何度も予想外の方向へと進む
どうしても考えてしまう
これが贖罪であり、赦しなのだろうかと
―#ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)@vinyl_tackey#FEAST狂宴🍖🍽️
3.1公開🎬 pic.twitter.com/U16UemEFPs
交通事故の加害者家族と被害者家族が雇用主と従業員の関係になるが…という映画。どう考えても大変なことになりそうな設定なのに見終えた時は呆然としてしまいました。今思い返しても何とも不思議な映画でした。
3月
『ビニールハウス』コメント
𝐂𝐎𝐌𝐌𝐄𝐍𝐓 #ビニールタッキー さん @vinyl_tackey
— 映画『ビニールハウス』絶賛上映中! (@vinylhousefilm) 2024年3月9日
(映画宣伝ウォッチャー)
𝟑.𝟏𝟓 𝐅𝐑𝐈『#ビニールハウス』 #半地下はまだマシ pic.twitter.com/ZKWgm77zWk
ビニール繋がりでコメント寄稿のご依頼を受けた(※本当です)のですが、そんな笑い話も消し飛ぶくらい重く暗い話でした。中盤で目の見えないお爺さんの奥さんを他人と入れ替えてバレないようにするという展開があるのですが、一歩間違えばコントみたいなシチュエーションを見事にスリラーとして演出していて腕のある監督だなーと感心しました。(その後新人監督だと知ってさらに感心しました)
映画ナタリー 月刊おもしろ映画宣伝3月号
この記事でMVPを受賞したSHOGUNの特別動画は今見ても最高です。
4月
『胸騒ぎ』コメント
꒷꒦ 𝑪𝑶𝑴𝑴𝑬𝑵𝑻 ꒷꒦#ビニールタッキー さん(映画宣伝ウォッチャー)からコメントが到着!@vinyl_tackey
— SUNDAE (@SUNDAE_FILMS) 2024年4月28日
”見たことを後悔するほどの容赦の無い物語と後味の悪さだが作品としては素晴らしい。これが映画の醍醐味だ。”
『#胸騒ぎ』5.10㊎新宿シネマカリテほか全国公開https://t.co/ExkuACGnpu pic.twitter.com/s5NnSTSrN1
いやー今思い返しても恐ろしい映画でしたね。もしかして…といくつか予想したストーリーの中で一番最悪な選択肢の方に行くような映画でした。容赦ない、救いがない、血も涙もない、の三拍子が揃ったデンマーク映画です。『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』というタイトルでハリウッドリメイクされたのも納得のスリラーでした。
シネコンウォーカーGW特大号『バッドボーイズRIDE OR DIE』コラム寄稿
【寄稿】シネコンにて配布中のシネコンウォーカーGW特大号にて『バッドボーイズ RIDE OR DIE』に関連して大好きな『バッドボーイズ』シリーズの魅力を振り返る小コラムを書きました!その他の記事も充実してますのでぜひお手に取って見てみて下さい! pic.twitter.com/tw1uqFwq80
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年4月15日
今年はありがたいことにシネコンで配布されている小冊子シネコンウォーカーに寄稿させて頂きました。『バッドボーイズ』シリーズ3作それぞれの魅力について限られた誌面に書き殴りました。バッドボーイズは1作目がマイケル・ベイの劇映画デビュー作、2作目はドル箱監督になったベイのやりすぎ伝説作、そして3作目は監督が変わったにも関わらず大成功して息を吹き返した作品ということでそれぞれ違う魅力があるんですよ。そんなことを書きました。
月刊おもしろ映画宣伝4月号
この月のテーマは「禁断の共闘」でしたね。コラボというのは基本的に禁断の共闘ですよね。
5月
月刊おもしろ映画宣伝5月号
この月はゴジラxコングやフュリオサなどお祭り感ある映画宣伝が盛りだくさんでした。
6月
『クワイエット・プレイス:DAY 1』期待コメント
『クワイエット・プレイス:DAY 1』に期待コメントを寄せました!このシリーズは「もし人類に天敵が現れたらどうなるか」というシチュエーションが醍醐味の一つだと思っているので、まさに天敵が現れた”その日”を描く新作が楽しみです!#クワプレ100コメCPhttps://t.co/rWx2Mthn1a pic.twitter.com/fVizJuqIYN
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年6月7日
6/28公開の映画『クワイエット・プレイス DAY1』に期待コメントを寄せました!今回は大都会のニューヨークが舞台ということでどう考えても大変なことになりそうだし静かにするのが難しい!これまでとはまた別の新たな恐怖が見れそうで楽しみです!#PR pic.twitter.com/lKhifzCTqh
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年6月17日
今だから言いますが、まったくこんな映画じゃなかったですね!!完全にマイケル・サルノスキ監督にやられました。もっと繊細で静かで「生きるとは何か?」を問うような作品でした。完全に予想を裏切られたんですがそのあまりのギャップと丁寧な作りに感動して大好きな映画になりました。
『蛇の道』コメント
˗ˏˋ𝓒𝓞𝓜𝓜𝓔𝓝𝓣 ˎˊ˗#ビニールタッキー さん
— 映画『蛇の道』公式【6月14日(金)全国劇場公開】 (@eigahebinomichi) 2024年6月23日
(映画宣伝ウォッチャー)@vinyl_tackey
🐍ーーーーーーーーーーーー
終始不穏で気味が悪い!
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続きは画像で👇 #黒沢清 監督最新作
『#蛇の道』絶賛公開中🎬 https://t.co/jhQJITeHOg pic.twitter.com/Cy1hmGxwJP
これも怖い映画でしたねえ。とにかく柴咲コウさんの蛇のような目が印象的だったのでコメントにこの画像を採用してもらえてうれしかったです。
月刊おもしろ映画宣伝6月号
この月のテーマは台湾のホラー映画と現代芸術家がコラボしたりディザスター映画と怪獣絵師がコラボしたりという異色の組み合わせの妙味についてでした。宣伝マンってアンテナを常に広げている職業なんだな、と思いました。
7月
『#スージー・サーチ』コメント
𓐃𓐃 𝘾𝙊𝙈𝙈𝙀𝙉𝙏 𓐃𓐃 #ビニールタッキー さん(映画宣伝ウォッチャー)からコメント到着!@vinyl_tackey
— SUNDAE (@SUNDAE_FILMS) 2024年7月8日
"最後まで予想を裏切る極上のサスペンス!"
映画『#スージー・サーチ』𝟪.𝟫 (𝖥𝖱𝖨) 公開🔍https://t.co/x5T8zDwRMK pic.twitter.com/J7Y0lm85P1
英語圏において「実録犯罪ポッドキャスト」というジャンルが本当に流行ってるんだなーと感じた作品。アレックス・ウルフ君がまた酷い目にあうという映画でもありました。ラストで「あああーー!」っとなる切れ味も忘れられないです。
ヒューマントラストシネマ渋谷の壁面に大々的にコメントを載せてもらえたのもうれしかったですねえ。うれしすぎてわざわざ見に行きました。
自分のコメントがババーンと貼られていてうれしいやら恥ずかしいやら。8/9公開『# スージー・サーチ』オススメですよ。 pic.twitter.com/M6mjDLv571
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年7月29日
『デッドプール&ウルヴァリン』期待コメント
#デッドプールウルヴァリン に期待コメントを寄せました!
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年7月18日
「無責任…どころか実は真面目で正義漢なデッドプールと、暴れん坊…と見せかけて実は優しくて面倒見がいいウルヴァリン。この2人が組んだらどう考えても激しいドツキ漫才が起きるし全力で世界を救ってくれるに違いない!」 #PR pic.twitter.com/Tz65ehAJ25
デッドプール&ウルヴァリン 特集: 解説・見どころ/普通の映画に飽きてない? “クソ狂ってるヤツ”と“常にキレてるやばいヤツ”が戦う“面白すぎて反響必至な注目作” - 映画.com
一作目から見続けてきて「やっぱりデップーちゃんは"無責任ヒーロー"じゃないと思う!」という気持ちを公式のコメントで言えたのはうれしかったですね。そして本当に↑の期待コメント通りの映画で興奮しました。ちなみに試写会後に即投稿したコメントはこちらです。
#デッドプールウルヴァリン 試写会で鑑賞させて頂きました!僕のコメントです :
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年7月24日
ヒーロー映画の歴史にもR指定映画の記録にも自分の身体にも風穴を開けてきたデッドプールがついにウルヴァリンと組んでMCUにも風穴を開ける!?確かにこれは混ぜるな危険!でも2人とも正真正銘のヒーローだよ!#PR pic.twitter.com/Qs5kd9eht5
『Kfc』コメント
🩸🍖𝑪𝑶𝑴𝑴𝑬𝑵𝑻 🍖🩸
— 映画『Kfc』公式【👅全国公開中🍽️】 (@kfc_movie) 2024年7月19日
👅👅👅👅👅👅#ビニールタッキー さん(映画宣伝ウォッチャー)@vinyl_tackey
👅👅👅👅👅👅
”残酷!グロい!悪趣味!
なのにアート映画のような詩情がある。” #映画Kfc いよいよあす公開🫀https://t.co/u8NpRd3LcJ pic.twitter.com/BazWzVNrva
グロくて食人描写もあって手作り感満載のベトナム映画なんですが何とも言えない詩情がありました。思わぬ時系列シャッフルもあったりしてアート志向の学生映画という雰囲気もあるんですが実際に卒業制作として考えられた映画ということで納得です。
月刊おもしろ映画宣伝7月号
この月についてはとにかく『ポライト・ソサエティ』の来日舞台挨拶がとてもいいのでそれを読んでください!と強く言いたいです。いつもおもしろ映画宣伝をおもしろがっている人間ですが、こういうinterest(興味深い)な方のおもしろ映画宣伝も大好きなんですよ。
8月
『デッドストリーム』コメント
#ショーンはどこへ消えた
— ショーンはどこへ消えた?@映画デッドストリーム公式 (@whereis_shawn) 2024年8月1日
ビニールタッキー様より、
ショーン捜索のご協力コメントが到着しました。
どんな情報でもお待ちしています。@vinyl_tackey pic.twitter.com/V1kqrt3pL4
いわゆる幽霊屋敷モキュメンタリーなんですが、主人公のショーンが迷惑系YouTuberという設定や、生配信用の撮影ガジェットによる新たなホラー表現もあって面白かったです。あらすじを聞いた時に誰もが感じるであろう「勝手にしろ!」という気持ちと、でもそれだけじゃないよという気持ちをコメントに込めました。ラストに向かうに従って伏線が回収されていく気持ちよさもあってよかったですね。
『モンキーマン』コメント
𝖈𝖔𝖒𝖒𝖊𝖓𝖙🔥
— 映画『モンキーマン』公式アカウント【8.23(FRI)ROADSHOW】 (@monkeymanjp) 2024年8月16日
👊映画宣伝ウォッチャー#ビニールタッキー さん(@vinyl_tackey)より👊
映画『#モンキーマン』🐵
𝟴.𝟮𝟯 𝗙𝗥𝗜:𝗥𝗢𝗔𝗗𝗦𝗛𝗢𝗪 #神が殺らねば俺が殺る pic.twitter.com/RFwqLvDkiz
めっちゃ好きな映画です。腐敗した権力やそれに擦り寄る社会に対する怒り、そしてマイノリティとの連携がはっきりと描かれている映画だったのでその辺をコメントに込めました。ちなみにラストの文章は「闘将!!拉麵男」をイメージしました。
『ポライト・ソサエティ』コメント
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— 映画『ポライト・ソサエティ』絶賛公開中🎬 (@politesocietyjp) 2024年8月19日
🥋𝗖𝗢𝗠𝗠𝗘𝗡𝗧🥊
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映画宣伝ウォッチャーのビニールタッキーさんより推薦コメントが到着👊
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こんな映画が見れて本当にうれしい!
\#ポライト・ソサエティ
𝟴.𝟮𝟯 𝗳𝗿𝗶 𝗥𝗢𝗔𝗗𝗦𝗛𝗢𝗪🔥 pic.twitter.com/baakOfySHb
これまた最高の映画でした。スタントウーマンを目指すパキスタン系イギリス人の高校生が姉の嫁入り先がヤバい家族だと知り助け出そうとするアクションコメディ。「ビニタキさんにぜひ見てほしいです!」とご依頼をもらった時はうれしかったですねえ。「こんな映画が見れて本当にうれしい!」は素直な気持ちです。
月刊おもしろ映画宣伝8月号
記事の中でがっつり引用していますが吉岡里帆さんの『トランスフォーマー/ONE』の吹き替え挑戦の気合の入りっぷりは本当に素晴らしかったですね。実際に吹替版で見たのですがその分析&実践の結果が見事に出ていて驚きました。「この声優さんめちゃカッコいい声だけど誰かしら?」って本当に思いましたよ。
9月
月刊おもしろ映画宣伝9月号
研ナオコさんのゼノモーフは夢に出てきそうなくらい怖くて大好きです。
10月
『エストニアの聖なるカンフーマスター』コメント
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— 映画『エストニアの聖なるカンフーマスター』10.4(金)公開 (@estoniakungfu) 2024年10月2日
👊👊👊𝘾𝙊𝙈𝙈𝙀𝙉𝙏到着👊👊👊
『#エストニアの聖なるカンフーマスター』
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ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)@vinyl_tackey… https://t.co/p1Bh64fQ4u pic.twitter.com/aGqxw3M9l8
エストニアのヘヴィメタル好きな青年が修道士となりカンフーマスターを目指す…という三度見ぐらいしてしまう映画。確かに珍奇でヘンテコな映画なんですがその背景にはロシアからの圧政に抵抗するパンク精神に溢れた映画でした。そう考えると宗教も登場当時は既成概念に対抗するパンクだった?と色々考えが及ぶ映画で面白かったです。新宿武蔵野館にコメントが貼られていると聞いて見に行ったのもいい思い出です。
先日は新宿武蔵野館に行って『エストニアの聖なるカンフーマスター』のパンフを購入してきました。自分のコメントが貼られているのも見てきました。うれしい。 pic.twitter.com/IfJMNuoZ9H
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年10月12日
『ウォーリアー』コメント
10/11からリバイバル上映される大傑作『ウォーリアー』にコメントを寄せました!お互いを憎み離れ離れになっていた兄弟が総合格闘技の舞台で再開する…という戦いの物語ですが”筋肉質で男らしい”見た目からは想像できないほど愛と赦しに溢れた映画です。本当にオススメです。https://t.co/qkYaVhj0yD pic.twitter.com/jy6eD3eeKX
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年10月3日
大好きな映画『ウォーリアー』のリバイバル上映にコメントを寄せられたのは本当にうれしかったですねえ。この映画は見た目のいかつい雰囲気からは想像がつかないほど優しく会いに溢れた映画なのでそこら辺のニュアンスを伝えたくて一生懸命コメントを考えました。昔の映画であってもこうやってリバイバルされることで携わることができるのはうれしいですね。
『シン・デレラ』コメント
ついに公開開始した血みどろおとぎ話映画『シン・デレラ』にコメントを寄せてます!子どもの頃に感じた「こんなに酷いことされたならシンデレラは仕返しすればいいのに」という気持ちを何百倍も増幅してくれたゴアゴア復讐劇です!でも運命を切り拓く女性の物語でもあります!https://t.co/uL0nmsPJuN
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年10月26日
パブリックドメイン化したおとぎ話をホラー映画化する昨今のムーブメントの一つ。確かにチープなところはありますし、残酷方向に特化し過ぎているとは思うのですが、ラスト付近で示される「シンデレラは誰かの手によって幸運を掴んだ女性」というイメージを逆手にとって「自らの手で運命を切り開く女性」という風にアレンジしていることにおお…と興奮しました。見どころのある映画だと思います。
月刊おもしろ映画宣伝10月号
この月は来日が多かったですね。『破墓/パミョ』の舞台挨拶に行けたのはいい思い出です。
11月
『ノーヴィス』コメント
🌊𝗖𝗢𝗠𝗠𝗘𝗡𝗧🌊
— 映画『ノーヴィス』11/1(金)より全国順次公開 (@NoviceMovieJP) 2024年11月3日
鬼気迫る演技と圧倒的な存在感の
イザベル・ファーマンから目が離せない。
―ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)@vinyl_tackey
KEEP ROWING !#ノーヴィス 絶賛公開中🚣 pic.twitter.com/dhXswdkqgG
『エスター』も「エスター ファースト・キル」も好き〜〜という話をしてたら「イザベル・ファーマンのすごい映画がありまっせ」とお誘いを頂いて鑑賞しました。マジですごい映画でした。『ブラックスワン』『セッション』などと比較される映画ですが、本作は誰かのスパルタではなく自分で自分を極限まで追い込む話という点でこれらの映画と一線を画しています。主人公がレズビアンなんですがそれが物語に直接的に何か影響を及ぼすわけではなく自然に描かれているのもよかったですね。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』コメント
◤コメント続々到着! ◢#ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)
— 映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』公式 (@angrysquad2024) 2024年11月14日
「正しいことをすれば挫かれ、悪者ばかりがのさばる社会では、悪者には悪者をぶつけるしかない! 」
💰映画『#アングリースクワッド
公務員と7人の詐欺師』
🎥11.22(金)全国公開#アンスク #アンスクゼロ @vinyl_tackey pic.twitter.com/iJD1y0OjPo
自分としては珍しく邦画の推薦コメントです。「カメ止め」の上田慎一郎監督作品ということでコメントに少し「カメラを止めるな!」風味を加えたのがミソです。この映画、ケイパーものという楽しみがありますが、個人的には映画全体に漂う「怒り」が重要だと感じたのでこのようにコメントしたのですが上田監督ご本人から「怒りにフォーカスを当てた感想がうれしい」と言われてありがたかったです。
『対外秘』コメント
˗ˋˏ 𝑪𝑶𝑴𝑴𝑬𝑵𝑻✍️ˎˊ˗
— キノフィルムズ (@kinofilmsJP) 2024年11月19日
━━━━━━━━━━#ビニールタッキー さん
(映画宣伝ウォッチャー)
@vinyl_tackey
━━━━━━━━━━
映画『#対外秘』絶賛公開中🛢 pic.twitter.com/vRkzymRhDp
政治と地方の腐敗を描いた『対外秘』、すごい映画でしたね。ちょうどこの頃日本で衆議院総選挙があったり、アメリカで大統領選があったり、韓国で戒厳令が出たりと時勢的な流れともうまく合致した映画だったと思います。
月刊おもしろ映画宣伝11月号
常々「一発ギャグみたいな企画を本当に形にするのってモチベーション維持とかめちゃくちゃ大変だよな」と思っていたのですが、この月は特にそれを感じました。『ドリーム・シナリオ』×夢グループとか企画会議でジョークみたいに出たアイディアをそのまま実現させたような雰囲気があって大好きです。
12月
『ディックス!! ザ・ミュージカル』コメント
🍌🩵 𝗖𝗢𝗠𝗠𝗘𝗡𝗧 🩵🍌
— 映画『ディックス!! ザ・ミュージカル』𝟭.𝟭𝟳㊎全国ロードショー🎉 (@dicks_movie) 2024年12月19日
映画宣伝ウォッチャーの
ビニールタッキーさん より
コメントが到着ッ💨💨
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サイテーでサイコーで
ハッピーなミュージカル!
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『ディックス!! ザ・ミュージカル』
𝟭.𝟭𝟳 𝗳𝗿𝗶 𝗥𝗢𝗔𝗗𝗦𝗛𝗢𝗪🎊 pic.twitter.com/TrvCjjpDpI
R指定ミュージカル映画というすごいジャンルの『ディックス!! ザ・ミュージカル』、マジで歌は下品なんですが輝かしいクィア映画です。来年1発目の派手な映画ですのでぜひご覧ください。
以上です。
2024年も様々なご縁で記事やコメントを書かせて頂きました。いち映画ファンとして、そして映画宣伝ウォッチャーとして映画の宣伝に参加できたことをうれしく思います。また来年もよろしくお願いします!
2024年Audibleで読んで面白かった本10選
こんにちは、ビニールタッキーです。
とにかく本を読むのが苦手なんです。子どもの頃は児童文学をよく読んでいたものの、中学ぐらいからあまり本を読まなくなってしまいました。大学時代も一端のオタクだったにも関わらず文章を読むのが苦手すぎてラノベブームに乗れなかった人間です。そのコンプレックスを抱えたまま社会人になり、20代後半あたりで「さすがに何かのメディアに触れて文化を吸収したいなあ」と思い映画趣味に没頭していったという経緯がありました。
一時期は電子書籍などにも挑戦したのですがタブレット上の文章は目が滑るという現象を体験して挫折。(本当にあるんですね、あれ)そんな時「聴く読書」と言われるAmazon Audibleが3か月99円キャンペーンをやっていたのが2年ほど前。電子書籍での苦い経験があったためとりあえず入ってみて合わなかったら辞めようぐらいの気持ちで入りました。
当時は自分の周りでSF小説「三体」の話をする人たちが多かったのですが、活字苦手な自分には超長くてハードなSFの本なんて難攻不落の要塞ぐらいに思ってました。ちょうどいい機会だと思いAudibleで挑戦してみたのですがこれがスルスル読める(聴ける)。あっという間にAudible読書に慣れることができました。
そうなると今話題の本、前から気になっていたけど読めなかった本、友人知人がお薦めしていた本などをAudible内で検索してみるんですが意外とあったりするんです。というわけで今年はそんな本たちを読みまくった年となりました。皆さんにはどうでもいいことかもしれませんが自分にとっては読書元年と呼びたくなるほどめちゃくちゃ本を読んだ年だったんですよ!
前置きが長くなりましたが2024年Audibleで読んで面白かった本10選をご紹介したいと思います。ただ、読書家が選んだ10冊ではなくAudible読書を最近始めた人間が選んだ10冊であるということをご承知起きください。さらに以下のような条件で選ばれているということもご了承ください。
・家事やリモートワーク中のながら聴きが多いため小説よりも実用書などが多いです。
・その時Audibleで読み放題対象だった本を読んでいるので発行年などバラバラです。
・個人的な興味範囲として科学、環境、歴史、戦争、人権、ジェンダーなどのジャンルに偏っています。
それではどうぞ!
- 砂糖の世界史
- アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話
- 関東大震災 その100年の呪縛
- 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?
- 暴力とポピュリズムのアメリカ史 ミリシアがもたらす分断
- 科博と科学──地球の宝を守る
- バッタを倒しにアフリカへ
- ネット右翼になった父
- 魔女狩りのヨーロッパ史
- 「国境なき医師団」になろう!
砂糖の世界史
著者: 川北 稔
「砂糖の世界史」読みました。これは名著。砂糖という甘いモノが国家、貿易、宗教に影響を与え、貴族や奴隷制、産業や労働や生活様式まで変えたというミクロからマクロを捉える世界史本。これが1996年の本であることに驚きました。内容が現代的で全く古びてない!#Audiblehttps://t.co/siASy45hIW
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年6月22日
「砂糖」という調味料が国家、貿易、宗教、身分制度に影響を与え、産業や生活様式まで変えてしまったという歴史を紐解く。砂糖の歴史を知ることは西欧の侵略の歴史や奴隷制の歴史を知ることになる、というとても重要なことを知りました。ちょうど日本のポップカルチャーにおける西洋の歴史認識が話題になっていた時期に読んだのでタイムリーでした。1996年の本なのに全く古びれない内容とわかりやすい文章、そして身近な「砂糖」から世界史が見えるというとっつき易さもあるのでAudibleを始めた人にまずはおすすめしたい一冊です。
アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話
著者: カトリーン・マルサル 訳:高橋 璃子
「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?これからの経済と女性の話」読みました。ため息が出るほどの名著。経済はこの世の全て、と居丈高に話す男性たちをケアしてきた女性の存在がないことにされているのはなぜ?欠陥と間違いだらけの経済神話を鋭く突く。#Audiblehttps://t.co/kQboEwWvQP
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年6月25日
男性が中心となり、女性は不在の状態で構築された経済学の欠陥を突く。環境問題や経済格差などの問題は経済最優先という考え方が原因であり、その考え方の根幹にある経済学に問題があるということを具体例を列挙して指摘する一冊です。「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?」(=経済学の父:アダム・スミスが自分の夕食を作ってくれた人のことは経済学の対象に含めなかったのはなぜか?)というタイトルの切れ味からわかる通り、経済学の男性中心主義な構造について斬りまくっています。女性の社会進出が盛んであり男女格差などないという印象のスウェーデンの著者が、スウェーデンにもまだまだある男女格差の実態について告発する内容となっているのがとても興味深いです。まさにため息が出るほどの名著です。
関東大震災 その100年の呪縛
著者: 畑中 章宏
「関東大震災 その100年の呪縛」読みました。都市集中型の社会構造、危ういナショナリズム、流言飛語と集団暴力、精神的な復興など、災害の度に起きる諸問題が関東大震災から続く呪縛だと説く。「災害は自然現象ではなく社会現象」という視点にハッとしました。#Audible https://t.co/4GkCblFpJq
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年9月2日
現代東京を形成するきっかけとなった1923年の関東大震災。この時に考案された都市集中型で地方を軽視する社会構造、災害などのマイナス要素を国家を統一するナショナリズムに利用するムーブメント、災害時に頻発する流言飛語や集団暴力、多民族に対する排斥などが現代にまで続く100年の呪縛だったことを解き明かす。こちらも名著として有名ですが本当に面白かったです。自然災害の絶えない日本においてかなり文献の残っている大災害である関東大震災を研究することで現代の災害時に発生する諸問題の根幹が見えてくるというのはまさに歴史を学ぶことの重要性を知れる話でした。
検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?
著者: 小野寺 拓也, 田野 大輔
「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」読みました。書籍、ネットなどで流布される「ナチスは良いこともした」という言説を一つ一つ事実と照らし合わせて検証。そんな与太話まで…と思うけどそうやって野放しにせず事実ベースで否定することの大切さがわかる。#Audiblehttps://t.co/tfZAm0IQPq
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年5月28日
こちらも言わずと知れた名著。主にインターネット上などで度々言われる「ナチスは良いこともした」という様々な言説について本当にそうだったのかを一つ一つ検証する。そんな与太話なんて無視してもいいのに…と思ってしまうような「ナチスは良いこともした」説までしっかり歴史事実を調査して検証する内容に感服してしまいます。しかしそういう真しやかな説を野放しにした結果が現在なのでとても重要な一冊だと思いました。(でもそういう説を語る人に限ってこの本は読まないという事実がSNS等で実証されていてつらい気持ちになります)また、今年公開の映画『関心領域』について語る際にも使用された「凡庸な悪」という言葉がいかに誤解されて浸透しているかという話もとても興味深かったです。
関連書籍と言って良いかわかりませんが、「ナチスだけじゃなく戦時の日本の軍部を対象にこういう本を書けばいいのに」と言われるたびに著者の田野さんが「既にありますよ」と紹介している「日本の植民地支配: 肯定・賛美論を検証する」も実直で丁寧な本なのでおすすめです。
暴力とポピュリズムのアメリカ史 ミリシアがもたらす分断
著者: 中野 博文
「暴力とポピュリズムのアメリカ史」読みました。武装民兵「ミリシア」とアメリカ史の密接な関係を解説する。なぜアメリカでは銃規制が難しいのか、なぜ連邦議会銃撃事件のようなことが起きたのかをミリシアをキーワードに読み解く。知らない話ばかりで面白かった。#Audible https://t.co/7lDLwhnOW7
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年5月27日
アメリカで難航する銃規制、市民の武装を保証する憲法、そして2021年の連邦議会襲撃事件など外から見ると奇妙な構造については武装する市民(ミリシア)の存在と成り立ちから考えなければならない、それはアメリカという国家の成り立ちにも直結する話だということを解説してくれる良書。今年見た『シビル・ウォー』という映画でまさに「武装する市民」という危険な存在が登場しますが、どうして彼らのような人々が容認されているのかがよくわかりました。ミリシアという言葉は知っていましたが、歴史に名を残す有名なミリシアの話などは全く知らなかったのでとても勉強になりました。2025年は銃規制反対派のトランプ氏の政権が再び始まるということもあり改めて読み返したい一冊です。
科博と科学──地球の宝を守る
著者: 篠田 謙一
『科博と科学 地球の宝を守る』読みました。国立科学博物館長が語る科博の特異性と科学と文化の関係について。コロナ禍への対応や話題となったクラファンの話、毎回攻めてる企画展の裏側などにも触れていて科博ファンとしてめちゃくちゃ面白かったです。#Audible https://t.co/7OpBBJaQUG
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年10月29日
田舎住みですが気になる企画展があると必ず足を運ぶくらい好きな国立科学博物館の館長が語る科博の特異性と科学と文化の関係についてのお話。シンプルに面白かったです。特にゴリゴリの研究員が一般大衆の興味を引く展示を考えるというマスとコアのバランスの難しさや、マスメディアと組む日本の企画展は世界的にも珍しいという話、また館長さんの分野である人類学の話も興味深くスラスラと読めました。近年の攻めた企画展(ミイラ展や和食展など)の裏話も聞けて楽しい一冊でした。
バッタを倒しにアフリカへ
著者: 前野 ウルド 浩太郎
「バッタを倒しにアフリカへ」読みました。読みたかった本がAudibleに!バッタの大量発生による”蝗害”を研究するため単身アフリカに渡ったバッタ博士の手記。バッタの生態に加えてモーリタニアの日常や資金繰りに苦しむ研究者事情など面白おかしく書き綴った良書。#Audible https://t.co/I9O3Q26r0h
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年9月17日
話題の本も(発売日から時差はあれど)Audibleで読めるのはうれしいですね。バッタの研究、特にバッタによる農業被害”蝗害”を解決するために単身モーリタニアに渡ったバッタ博士の手記。ゼロベースからあらゆる工夫と失敗を繰り返して研究ベースを積み上げていく様子が現代の冒険譚という感じでガンガン読ませてくれます。そして著者の前野さんの砕けた文章(漫画やアニメネタの引用が多い)と特異な人物像(表紙を見れば伝わると思います)のおかげでアカデミックな内容のはずなのに読みやすい。世界で活躍する日本人の話なのですがいわゆる日本スゴイ!ではなく、この人ヤバイ!となる内容になっているのもよかったです。続編でもある「バッタを倒すぜ アフリカで」も現在読み進めています。
ネット右翼になった父
講談社現代新書 著者: 鈴木 大介
『ネット右翼になった父』読みました。ヘイトスラングを使い、右翼系動画を見るようになった父親。父の死後にルポライターの息子が理由を検証した結果、父の真意の輪郭が明らかになる。まさかこんなに感動するとは思わなかった。今年読んだ本で一番忘れられない。#Audiblehttps://t.co/6w928loPny
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年7月10日
老いてネット右翼化した父親のことを綴った手記が話題となり、父の死後に「どうしてこんなことになってしまったのか」と筆者が考察した本。親が右翼系YouTubeやSNSアカウントに染められてネトウヨ化してしまう…という話はよく聞きます。しかし筆者が感じた奇妙な違和感を基に父親の生前の知り合いや家族に聞き込み調査を続けると驚きの事実が浮かび上がってくる…というまるで推理小説のようなスリリングな内容でした。今年読んだ中で最も驚いたし複雑な感情を抱いた一冊です。とにかくタイトルから読み取れる内容とは全く違う読後感を味わうことになる本なので興味のある方はぜひ読んでみてください。
魔女狩りのヨーロッパ史
著者: 池上 俊一
『魔女狩りのヨーロッパ史』読みました。経済悪化や生活苦の原因を魔女の仕業とし、寡婦や独居老女などの”家父長制の支配から抜けた女性”を「怪しい魔女」として標的にする。そこには社会に蔓延する支配欲、女性嫌悪、DV欲があった。16世紀から何も変わってない。#Audible https://t.co/y3aQr9N8zr
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年8月7日
15〜18世紀のヨーロッパで起きた「魔女狩り」を軸に当時の風俗や世相を紐解く。単純な集団ヒステリーだけではなく、制度化され執行された経緯やシステムとして組み込まれた歴史を見るとその当時の女性に対するミソジニーが浮かび上がってきます。そして現代も横行する女性差別的な考え方が数百年前からあることにがっかりすると同時に現行のフェミサイドも最新型の「魔女狩り」だということに気付かされます。今年何度も読み返して様々な考え方の参考になった本なので実質ナンバーワンです。とても嫌な気持ちになりますが現代の問題の根幹を捉え、未来を考えるために重要な本だと思いました。
「国境なき医師団」になろう!
著者: いとうせいこう
「「国境なき医師団」になろう!」読みました。いとうせいこうさんによる取材や現地レポ。医師以外にも物質調達や施設の準備、財務管理など様々な仕事があり、例え医師でなくても、寄付をするだけでもあなたは国境なき医師団になれる!ということを伝えてくれる。#Audible https://t.co/uo6KJZoVgU
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2024年6月4日
名前だけは誰もが聞いたことがあるはずの「国境なき医師団」。具体的にどういう団体でどのような活動をしているのか?という素朴な疑問をいとうせいこうさんがインタビューした本。「医師団」と聞くとお医者さんしかいないのかな、と思ってしまいますが実際に取材してみると現地で水や電気の準備をする人、運送網のない地域に薬や包帯などを調達をする人、財務担当や採用担当など本当に多岐にわたる仕事があり、出身も立場もバラバラの人たちが同じ意志を持って集まっているということがとてもよく伝わる内容になっています。民族紛争や大国による侵攻が多い中、個人的に今年とても影響を受けた一冊です。
関連書籍として同時期に読んだ「「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと」もとても面白かったです。これらの本を読んだことをきっかけに国境なき医師団への寄付を始めました。
以上です。
ちなみに今読んでいる本ですが「イラク水滸伝」(めっちゃくちゃ面白い!)や「なぜ難民を受け入れるのか―― 人道と国益の交差点」(とてもわかりやすい)や「国家はなぜ衰退するのか 上」(結構長いしむずかしいけどおもしろい)などです。このように全く本を読まなかった人間が読書という習慣を身につけることができたのでAudibleには感謝です!月額高いけどこのサービス内容だったら納得ですよ!(※Audibleからは一切お金をもらっていません。むしろ払ってます)来年もいっぱい読みまーす!
最近増えてる?「タレントナレーション予告編」の世界
こんにちは、ビニールタッキーです。

前回の「月刊おもしろ映画宣伝2024年01月号」で少し触れたのですが、最近タレント・芸能人が映画の予告編などにナレーションを入れて紹介する「タレントナレーション予告編」が増えてるような気がするんです。
幅広い層から注目を集めるため、日本語吹替版を作る予算がないため、など様々な理由があると思います。他にもアニメ『鬼滅の刃』以降の第6次声優ブームにあやかって有名声優さんが予告編のナレーションを担当し、それが映画・芸能ニュースで取り上げられるという機会も増えたような気がします。また、(僕は好きですが)映画ファンに忌み嫌われるタレント吹替ほど作品に直接の影響は与えないものの、そのタレントが参加したことで露出する媒体・ニュースサイトが増えるという効果も考えられます。
しかし「最近増えているような気がする」という何となくの気分では納得いかない理系タイプの僕です。(過去に本当に日本映画の予告編は叫んでいるのか?というのを検証したことがあります)ものすごくめんどくさいのですがだいたい2019年〜2023年の5年間+2024年2月現在までのタレントナレーション予告編を探してみました。ちなみに「タレント」の評価軸はかなり曖昧です。映画ニュースサイト等を検索して「○○がナレーションを担当」と記事タイトルに書かれていればその人の知名度で注目を集められるポジションにあるとして「タレント」とします(※ただし吹替で参加した声優・タレントさんが兼任でナレーションも担当しているのはグレーゾーンとして個々に判断しました。あくまでその映画に参加はしてないけどナレーションは担当するという絶妙さを味わいたいので)。また、本編映像にナレーションを付けたものもひっくるめてここでは「タレントナレーション予告編」と定義しました。果たして本当に増加傾向にあるのか、オファーされるタレントに傾向やトレンドがあるのかどうか見ていきましょう。
2019年
「キャプテン・マーベル」本予告解禁、中村悠一がナレーション担当 - 映画ナタリー
キャプテン・アメリカの吹替担当の中村悠一さんという文脈があるので入れさせて頂きました。
浪川大輔がナレーション、ニコラス・ホルト主演「トールキン 旅のはじまり」予告(動画あり) - 映画ナタリー
こちらもRotR繋がりでフロドの日本語吹替を担当した浪川大輔さんです。正直こういうオファーは技アリで嬉しいです。
『ファイティング・ファミリー』本予告公開 くりぃむしちゅーの有田哲平がナレーション担当|Real Sound|リアルサウンド 映画部
こういうのちょうだい!もっと!こういう「◯◯です!」と名乗って始まるやつこそ純粋な「タレントナレーション予告編」という感じでグッときます。
高嶺の花を射止める方法教えます!山里亮太が「ロング・ショット」予告にナレーション - 映画ナタリー
高嶺の花を射止める恋愛映画のナレーションに山里亮太さんという采配、素晴らしいと思います。
2019年:4本 あら、少なめですね。
2020年
『鵞鳥湖の夜』男女の視点で描いた異色の予告編 ナレーションに村上淳&中村優子|シネマトゥデイ
いやーこれはいい!『鵞鳥湖の夜』は大好きな映画なんですがこの男サイド・女サイドからの二つの雰囲気たっぷりなナレーションという宣伝はめちゃくちゃいいですね。とにかく色っぽい。
『モンテッソーリ 子どもの家』本上まなみ&向井理のナレーション入り予告編 独自の教育の数々が|Real Sound|リアルサウンド 映画部
『キングスマン:ファースト・エージェント』ワールドプレミア開催 木村昴参加の新映像も|Real Sound|リアルサウンド 映画部
劇場に熱狂が戻る光が見えてきた、大塚芳忠ナレーションの「TENET」新予告(動画あり / コメントあり) - 映画ナタリー
大塚芳忠さんがテレビ朝日版『ダークナイト』でジョーカーの吹替を担当したから、という少し遠回し感のあるオファーです。この頃ちょうど鬼滅の刃ブームもあったので鱗滝さんというキャッチーさもあったのかもしれません。(もしくは鶴見中尉?)
「魔女がいっぱい」岡本信彦が魔女の見分け方を伝授、「とても魅力的なヴィラン」(動画あり) - 映画ナタリー
『イーディ、83歳 はじめての山登り』予告編公開 ナレーションは田口トモロヲが担当|Real Sound|リアルサウンド 映画部
思った以上にプロジェクトXっぽくてびっくりしました。
『トータル・リコール 4K』予告編公開 ナレーションは『金ロー』元ナビゲーターの坂上みき|Real Sound|リアルサウンド 映画部
金ロー感全開!!
2020年:7本 ちょい増えた。パンデミックが本格化した年でもありましたね。
2021年
キングよ永遠なれ、チャドウィック・ボーズマン主演作「21ブリッジ」を田村真が紹介(動画あり / コメントあり) - 映画ナタリー
こちらも声優さんですが『ブラックパンサー』のティチャラの吹替と紐付けて田村真さんが解説しているのがとても誠実な文脈でいいなと思いました。
リーアム・ニーソン主演『ファイナル・プラン』7月公開 津田健次郎ナレーションの予告編も|Real Sound|リアルサウンド 映画部
出ましたツダケンさん!
『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』恐怖映像収めた日本版予告編 ナレーションは諏訪部順一|Real Sound|リアルサウンド 映画部
諏訪部さんも手堅い仕事。
『ベイマックス』声優がナレーション担当 『ロン 僕のポンコツ・ボット』ティザー予告公開|Real Sound|リアルサウンド 映画部
えっいいの!?と一瞬思ったんですがディズニー傘下のアニメなのでセーフ。
津田健次郎がナレーション ヒュー・ジャックマン『レミニセンス』日本版特報&ポスター|Real Sound|リアルサウンド 映画部
本日2回目のツダケンさんです。
『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』10月22日公開へ 木村昴ナレーションの吹替版予告も|Real Sound|リアルサウンド 映画部
木村昴は吹き替えとして参加しているのでレギュレーション外なのですが、この予告編の異様なハイテンションが大好きなのでつい…
声優・能登麻美子がナレーション R18+ホラー『マリグナント 狂暴な悪夢』特別映像公開|Real Sound|リアルサウンド 映画部
能登麻美子さんはこれが初のホラー映画予告ナレーションだそうです。それがあの傑作『マリグナント』だったのは誇るべきことだと思います。
宮世琉弥、青春映画の予告ナレーションでザ・スミスの魅力に触れる(コメントあり) - 映画ナタリー
「マトリックス」新作の本ポスター解禁、遠藤憲一や水野勝、かまいたちのコメントも - 映画ナタリー
◢||🟩#マトリックスデー🟩||◣
— 映画『マトリックス レザレクションズ』公式 (@matrix_movieJP) 2021年9月11日
『#マトリックス レザレクションズ』#遠藤憲一 さんタイトルコール特別編集版CM、放送ご覧いただけましたか?
ネオの新たな物語はどんな展開を見せるのでしょうかー
12月全世界公開🎬続報、どうぞお楽しみに💊 pic.twitter.com/v8T0ITPTQX
『マトリックス』一作目から予告編のナレーションを担当してきた俳優の遠藤憲一さんが『レザレクションズ』でも担当!こういうのはシンプルに嬉しいですね。
2021年:9本 声優さんのナレーションが増え、それが映画サイトにピックアップされる案件が増えました。まさに『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』以降の声優ブームを感じます。
2022年
「スペンサー ダイアナの決意」が今秋公開決定、予告編ナレーションは沢城みゆき - 映画ナタリー
沢城みゆきさんは大好きな声優さんですがなぜダイアナのナレーションなのか…関連性が分かりませんでした。
【2024/02/16追記】
“ダイアナプロジェクト”アンバサダーに米倉涼子が就任! 映画『スペンサー ダイアナの決意』ナレーション入り本予告映像が公開 - otocoto | こだわりの映画エンタメサイト
米倉涼子版もあると教えて頂きました!2013年の映画『ダイアナ』でナオミ・ワッツ演じるダイアナの吹替を担当したことがあるそうです。【追記終わり】
大沢たかお、檀れいが「ナイトメア・アリー」日本版予告でナレーション(コメントあり) - 映画ナタリー
だんだんタレントナレーションっぽくなってきましたね!
素顔に迫るドキュメンタリー「オードリー・ヘプバーン」予告編、語りは池田昌子 - 映画ナタリー
オードリーの吹替を担当した池田昌子さんという技アリオファー。良いですねえ。
『エルヴィス』津田健次郎ナレーションの特別映像公開 主演俳優が語るライブシーン秘話も|Real Sound|リアルサウンド 映画部
ツダケン3件目。
『ソー:ラブ&サンダー』
— マーベル・スタジオ[公式] (@MarvelStudios_J) 2022年6月28日
なかやまきんに君
“筋肉解説”💪特別動画解禁‼️
破壊力2倍の《パワー!》
2人のソーの鍛え抜かれた肉体美に、
筋肉のスペシャリストも賞賛‼️
『#ソーラブアンドサンダー』
7/8(金) #ソー劇場降臨
https://t.co/BVtMlJXT7V pic.twitter.com/O1yrjJs0UK
これ大好きです。これなんかもうご本人が出てきてるのでタレントナレーション映像と言っていいのか?と思うんですが素晴らしい出来なのでOKとします。
松重豊がナレーション担当、レストランの人間模様収めた「ボイリング・ポイント」予告(動画あり) - 映画ナタリー
孤独のグルメならぬドッタバタグルメ!
ナ・ホンジン原案のホラー「女神の継承」予告とポスター公開、ナレーションは國村隼(コメントあり) - 映画ナタリー
きたっ…!ナ・ホンジン『哭声』繋がりで國村隼さんナレーションの『女神の継承』予告編!これ本当に怖かった…
カトリーヌ・ドヌーヴ出演「愛する人に伝える言葉」予告解禁、ナレーションは笠井信輔(動画あり) - 映画ナタリー
「ミセス・ハリス、パリへ行く」大竹しのぶがナレーション担当する予告編解禁(コメントあり) - 映画ナタリー
「レイフ・ファインズのファン」津田健次郎ナレ入り『ザ・メニュー』日本オリジナル予告 | cinemacafe.net
ツダケン4件目。しかしナレーションいいわあ…
「Fate」ガウェイン役つながり、水島大宙が語り担当「グリーン・ナイト」本予告 - 映画ナタリー
A24とFGOが繋がる日が来るとは予想していませんでした。
2022年:12本 おおお増えましたね!しかも声優ナレーションもありつつ芸能人の案件も増えました。
2023年
ニコラス・ケイジが“どん底俳優”演じた主演作の予告完成、ナレーターは諏訪部順一 - 映画ナタリー
諏訪部さん!
北イタリアを舞台に友情ドラマ紡ぐ「帰れない山」、三上博史が特報のナレーション担当(動画 / コメントあり) - 映画ナタリー
金熊賞受賞作「アダマン号に乗って」本予告到着、ナレーションは内田也哉子(コメントあり) - 映画ナタリー
すべてのはみだし者に贈る「ゴーストワールド」予告編、ナレーションは中島セナ(動画あり / コメントあり) - 映画ナタリー
“ファイヤー”サポーター:なかやまきんに君がワイスピを激推し!!アツさ爆裂!TVCMスポット&コメント映像が到着!キャラクターポスター(なかやまきんに君ver.)も解禁!!
出ましたきんに君!安定した仕事っぷりです。22、23年といい仕事が続いたので2024年も期待してます!
斎藤工が本予告をナレーション『ストールンプリンセス』INIの新曲が主題歌に | cinemacafe.net
僕自身もクラウドファンディングに参加した『ストールンプリンセス』もタレントナレーション予告です!しかも配給会社の代表の方と斎藤工さんが町で偶然すれ違ったのがオファーのきっかけというエピソードもいいですよね。
「ボブ・マーリー:ONE LOVE」の日本オリジナル特報到着、津田健次郎がナレーション - 映画ナタリー
ツダケン5件目。
宮野真守のナレーション収録「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」予告編が到着 - 映画ナタリー
『チャーリーとチョコレート工場』でジョニー・デップの吹替を担当した宮野真守さんがナレーションということですがその映画とこの映画は別に繋がりがあるわけではないのでニントモカントモ…マモのお仕事自体は最高です。
ジェシー・アイゼンバーグ監督作の予告解禁、大塚寧々と鈴木福がナレーション(コメントあり) - 映画ナタリー
日本のジュリアン・ムーアこと大塚寧々と日本のフィン・ヴォルフハルトこと鈴木福くん。
少女が自分を解き放つ「コット、はじまりの夏」予告、青葉市子がナレーション担当 - 映画ナタリー
映画の雰囲気と青葉市子さんの静かで繊細な雰囲気がベストマッチでした。
2023年:10本 まだまだ健在!
そして…
2024年
指原莉乃が映画ナレーション初挑戦、エマ・ストーン主演「哀れなるものたち」新映像(コメントあり) - 映画ナタリー
なんてアメージング…叶姉妹がナレーションを担当した「ジャンヌ・デュ・バリー」予告(コメントあり) - 映画ナタリー
太田光がウディ・アレン監督作の予告ナレーション「映画の神様、助けてくれ~!」 - 映画ナタリー
井上芳雄がミュージカル版「カラーパープル」絶賛、夏木マリや城田優の推薦コメントも - 映画ナタリー
渡辺謙がナレーションを担当 『オッペンハイマー』日本版オリジナル予告&ポスター公開|Real Sound|リアルサウンド 映画部
藤森慎吾、タモリの“チャラ男肯定”が自信に 「ネクスト・ゴール・ウィンズ」スポット映像でナレーション担当 : 映画ニュース - 映画.com
いかがですか。なんと2024年は始まって約1ヶ月弱で既に6件もタレントナレーション予告編があるのです。これは明らかに増加傾向ですしこのペースで行くと20件は行くんじゃないかと勝手に睨んでいます。
結果としては以下の通りとなりました。
2019年:4本
2020年:7本
2021年:9本
2022年:12本
2023年:10本
2024年2月:6本
2020年から増加しているのはやはりパンデミックの影響があると感じます。お笑い芸人やタレントをPRイベントに呼んで注目を集めるというビジネスモデルが難しくなった時期にTVCMや芸能ニュース、ネット媒体で幅広くPRするための代替策の一つだと感じました。また、作品に直接影響を与え、DVDや配信にまで残るタレント吹替という文化に対する意識の変化が「タレントナレーション予告編」という形に変化したのかな、と個人的に思います。
あと印象に残ったのはツダケンさんの多さですね。今回は洋画に絞りましたが日本映画を含めるともっと増えます。こうして並べて見ると予告編のナレーションはツダケンさんに任せておけば大体いい感じになると思いました。
そしてみなさん、お気付きでしょうか。『トールキン』『ナイトメア・アリー』『ザ・メニュー』『哀れなるものたち』『ネクスト・ゴール・ウィンズ』とサーチライトピクチャーズの映画にタレントナレーションが多い傾向があるということを。今回の検証期間からは外れていましたが2018年の『犬ヶ島』も坂上忍によるタレントナレーション予告編がありました。
これは今回調査してみて初めて気付いた傾向ですね。この謎については引き続き調査したいと思います。
いやーしかしやってみるもんですね。こんなこと誰も気にしてないと思いますがいざ気にしてみるとやっぱり傾向が見えてきました。調べるのはクソめんどくさいのですが、またこういう気づきがあった時はやってみようと思います。
結論:
・タレントナレーション予告編は増えている。
・ツダケンさんは現代の予告編ナレーション請負人。
・サーチライトピクチャーズはタレントナレーションが大好き。