第9惑星ビニル

見た映画の感想を書き綴ります。

この映画宣伝がすごい!2017(後編)

おもしろ映画宣伝は100%死にません!
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「バイオハザード」ゾンビコスプレのアキラ100%、「これが1番プレーン!」 : 映画ニュース - 映画.com

いきなりすみません。

 

まずは前編と中編をご覧ください。

ここまでのあらすじ:2017年のおもしろ映画宣伝を振り返っています。

 

さて、2017年はハリウッドスターの来日ラッシュが話題になりました。どれだけ来日したかについては安心と信頼のシネマトゥデイさんのまとめ記事が丁寧ですのでご覧ください。

「来日俳優あるところにおもしろイベントあり」とは僕の言葉ですが、ハリウッドスターと日本伝統の映画宣伝の組み合わせによるマリアージュ(もしくは悪魔合体)が発生しまくりでした。特に気になった案件をピックアップします。

 

まずは日本映画宣伝の風物詩こと鏡開きライアン・ゴズリングデミアン・チャゼル監督が挑戦!

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オスカー大本命『ラ・ラ・ランド』に日本的要素? 若き天才監督が明かす | cinemacafe.net

ゴズリンがハンマーを持つと『ドライヴ』を思い出してこわい!

ブラピも鏡開き!

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ブラッド・ピット、40分間のファンサービス!日本の熱烈歓迎に「いつも感謝」 : 映画ニュース - 映画.com

マッツはコタツで丸くなる!

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「マッツ・ミケルセンです。こたつに入っています」 “北欧の至宝”にバラエティー枠のようなムチャ振りをする公式動画がシュール(要約) - ねとらぼ

ガーディアンズ御一行は特製スカジャン!
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クリス・プラット、もう脱がない!『ガーディアンズ』スカジャンに大感激 - シネマトゥデイ

今見ると涙が出そうになる光景です!

トム・ホランド君は法被で和太鼓!初来日で映画宣伝の洗礼を浴びまくり!

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新スパイダーマン初来日!大雨にぬれるファンを前に「僕もぬれるよ!」と宣言し大喝采! - シネマトゥデイ

ちなみに上記の二人は着こなしが絶妙すぎて「家電量販店っぽい」と一部界隈で話題になりました。

ミキティー!ならぬマカヴォーーイ!
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ジェームズ・マカヴォイ、日本映画出演に色気! - シネマトゥデイ

レイ・フィッシャーエズラ・ミラーの手書き日本語!

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来日した「ジャスティス・リーグ」エズラ・ミラー、“今見たい映画”が親日ぶり全開! : 映画ニュース - 映画.com

名入り提灯にはしゃぐウィル・スミス!

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来日した「ジャスティス・リーグ」エズラ・ミラー、“今見たい映画”が親日ぶり全開! : 映画ニュース - 映画.com

トム・ヒドルストンブリー・ラーソンとサミュエルの叔父貴の後ろに巨大コング!
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初来日のトムヒにファン1,200人大歓声!GACKTも「いい男」と惚れ惚れ | cinemacafe.net

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このTOHOシネマズ新宿のゴジラ像に驚くトムヒの写真が好きです。

そしてキアヌ・リーブス和田アキ子とあの鐘を鳴らす!なんでや!
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キアヌ絶賛!和田アキ子『ジョン・ウィック』監督からボス役オファー - シネマトゥデイ

ちなみに『この映画宣伝がひどい!2017』グランプリは上記の『ジョン・ウィック:チャプター2』ジャパンプレミア(キアヌとチャド監督が和田アキ子を接待している、キアヌ本人が公の場であまり話さない慈善活動についてアッコが突っ込む等)と悩みましたが、こちらにしました!

『この映画宣伝がひどい!2017』グランプリは、『ジョン・ウィック:チャプター2』の愛犬試写会です!!
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犬たちは「ジョン・ウィック」をどう見た?犬の感情を翻訳してみると…… : 映画ニュース - 映画.com
なんだこれは!?

映画の試写会に呼ばれた犬と愛犬家たちに自分たちの芸を見せるという流れがやばい!

上映後に登場した五味はスーツ姿で映画の中のキアヌになりきり、中村が扮する“犬”に指示を出していくが、中村が犬の被り物を着けた途端に、カフェ内にいる犬たちが突然、大きな声で鳴き出すという不測の事態が発生。中村はシェパード、ビーグル、ハスキー、ボルゾイと次々とかぶり物を変えて犬種をチェンジしていくが、犬たちは大興奮でほえ続け、シューマッハの2人も初めてのことに驚いていた。

それでもなぜか、最後に映画と同じピットブル姿になると、犬たちはやや落ち着いた空気となり、さらに中村がピットブルの姿のままピアニカを演奏し、2人で“犬タワー”を作ると、犬たちは無言でそれを見つめるという不思議な空気に。「これは受け入れられたのかな……?」(中村)と2人ともホッとした表情を見せていた。

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何が起きているんだ…色々言いたいことがありますがとりあえず愛犬家に『ジョン・ウィック』の話をするのは禁物だと思います!ひどい!

 

えー、では気を取り直して。2017年も様々なおもしろ映画宣伝がありましたが、栄えある『この映画宣伝がすごい!2017』グランプリは…

ワンダーウーマン』の公開記念イベントです!

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吉田沙保里、ワンダーウーマン姿で登場!子役に最強タックル伝授「強くなって」 | cinemacafe.net

ワンダーウーマンの日本公開が決定した時から「国内宣伝には日本のワンダーウーマンこと吉田沙保里選手を!」と訴え続けていたのでついに実現したときは思わずガッツポーズしてしまいました。ありがとう!宣伝の人!

劇中でワンダーウーマン/ダイアナとパイロットのスティーブ(クリス・パイン)が恋に落ち、お互いを支え合う素敵なラブストーリーが描かれていることにちなみ、守ってあげたい、もしくは守られたい男性の存在を聞かれた吉田さんは、「いや~いまはいないですね。これから映画のように二人三脚で歩んで行けるようなパートナーが欲しいです」と回答。「女性では守ってあげたい方はたくさんいますね」と語り、“霊長類最強女子”らしい一面を覗かせた。

相変わらず恋愛話を切り出す取材陣…とムッとしてしまいますが吉田沙保里選手の受け答えがカッコいい!!

さらに最速試写会には1980年の『紅い旋風ワンダーウーマン』でワンダーウーマンの日本語吹き替えを担当した由美かおるをサプライズゲストとして呼ぶ素晴らしい仕事っぷり!

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“元祖ワンダーウーマン”由美かおる、“後継者”に太鼓判「今の時代に必要な女性像」 : 映画ニュース - 映画.com

劇中のクリス・パイン入浴シーンについて「パーフェクト!」とコメントしているのも最高です。

中編でも言及した通り、『ワンダーウーマン』については日本版テーマソングや予告編の宣伝文句で色々と思うところがあったのですが個人的にはこれにて名誉挽回!と感じました。一つの映画でうーん…という宣伝と最高!という宣伝があるという複雑性が現在の映画宣伝を象徴していると感じましたのでグランプリとしました。おめでとうございます!!

ここでもう一つ、『この映画宣伝がすごい!2017』審査員特別賞を発表したいと思います。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』ジャパンプレミアです!

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長州力「攻殻」バトー完璧コスプレ披露!2時間メイクも「キレてない」 - シネマトゥデイ

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長州力のバトーさんのクオリティが異様に高い!

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武田梨奈さんの脚の角度も高い!!

『ゴースト・イン・ザ・シェル』は公開当時「ホワイトウォッシュ」と批判されました。実際の映画を見ると主人公が白人のスカーレット・ヨハンソンである意味がちゃんとあるのですが、アジア系の草薙素子も見たかったという気持ちもあります。そういう点で武田梨奈さん扮する少佐の凛とした姿には感動しました。

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そして長州力。僕は攻殻機動隊については原作からのファンですが「長州力にメイクすればバトーになる」と思ったことは一度もありませんでした。普段どんな物を食べていればこのような発想に到達するのでしょうか。完敗です。

 

というわけでいかがだったでしょうか。『この映画宣伝がすごい!2017』。
2017年も思わず爆笑してしまうような案件から目を疑うような案件まで色々な宣伝がありました。数年に渡ってこういった映画宣伝たちを観察していると「新作映画の情報をいかに拡散させるか?」という送り手側の苦労を感じられるようになりました。特にここ数年はSNS上のバズをきっかけに映画がスマッシュヒットする事例が増えてきたため、SNSでの宣伝に注力している映画も多いと感じました。映画館で映画を見る人が少なくなり映画の鑑賞方法も多様化する中、古典的な宣伝と新しい形の宣伝が入り混じり始めたと感じます。何にせよ、いい宣伝には拍手を送り、アレな宣伝には「そこがいいんじゃない!」と叫ぶ活動は続けていきたいと思います。

では次の『この映画宣伝がすごい!2018』もお楽しみに!

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平野ノラ&ひふみん、驚異の実話「バリー・シール」に「おったまげー」! : 映画ニュース - 映画.com

おったまげー!!

この映画宣伝がすごい!2017(中編)

安心してください!ちゃんとおもしろ映画宣伝は続きますよ!
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とにかく明るい安村、マイナス13キロの肉体改造に挑戦 - シネマトゥデイ

ダイエットも成功しました!

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明るい安村、2か月で16キロ減… ビフォーアフター - シネマトゥデイ

だから何だ!!

 

えー、まずは前編をご覧ください。

ここまでのあらすじ:一身上の都合で2017年のおもしろ映画宣伝を振り返っています。

さて、2017年は味わい深い邦題が多く話題となりました。特にネット上でも話題になった作品をいくつかピックアップします。

原題:Guardians of the Galaxy Vol. 2

邦題:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

「Vol.2」と「リミックス」では意味合いが全然違う!
実際に後追いで見た人が『リミックス』を「1のデジタルリマスター版のようなもの」と勘違いして2から見始めてしまうという悲しい事故も発生しているそうです。確かに!時間が経てば経つほどわかりにくい!

でも宣伝は最高でした!

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コワモテ遠藤憲一、25センチの木に変身!自分の職業がわからなくなる - シネマトゥデイ

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特に遠藤憲一が。

 

原題:Thor: Ragnarok

邦題:マイティ・ソー バトルロイヤル

ラグナロクぐらいわかるよバカヤロウ!という気持ちもありますが大半の日本人は知らない単語です。これについては映画にバトルロイヤル的な要素もあったので別にいいや!という気持ちです。そんなことがどうでもよくなるぐらい面白い映画でしたし。

もちろん宣伝も最高でした!

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「マイティ・ソー」天海祐希&浅野忠信が登壇「ホーガンが切られてなくてよかった」(写真21枚) - 映画ナタリー

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特に把瑠都が。

ちなみに海外ではこの邦題に賛同する人も多いという話もありました。

日本がラグナロクだバトルロイヤルだと揺れる中、タイカ・ワイティティ監督がツイッターで「ラグナロォク」と喋るレモンの動画をツイートしていたのもいい思い出です。

 


原題:Hidden Figures

邦題:ドリーム 私たちのアポロ計画

邦題:ドリーム

第1弾の邦題が発表された時から「マーキュリー計画の話なのになぜアポロ計画?」という意見が殺到した結果シンプルな邦題になりました。


でもそんなドタバタも気にならなくなるほどメッチャクチャ面白い映画ですよ!

 

原題:King Arthur: Legend of the Sword

邦題:キング・アーサー 聖剣無双

邦題:キング・アーサー

一部界隈で「2017年最高の邦題」と賞された邦題でしたがおそらくコーエーあたりと著作権でぶつかってしまったのか「聖剣無双」が外れてしまいました。ガイ・リッチー監督のテンションを熟知している配給会社の勇み足という感じで好感が持てる事件でした。しかしこうなると今度はアントワン・フークア監督の『キング・アーサー』(2004年)とドカブりなので何か別の副題を付けてほしいと思いました。例えば原題が「Legend of the Sword」なので『キング・アーサー 聖剣伝説』とかどうですかね。

もちろん宣伝も最高でしたよ!

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「キング・アーサー」に触発されたメイプル超合金、下克上を果たしたい相手は? : 映画ニュース - 映画.com

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最高の写真。

 

この他にも『Denial』→『肯定と否定』や『Arrival』→『メッセージ』や『Going in Style』→『ジーサンズ はじめての強盗』等色々ありました。

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73歳・高橋英樹「ジーサンズ」に刺激!「パワーを見せつけられた」 : 映画ニュース - 映画.com

『メッセージ』は日本でもばかうけでしたね!

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「メッセージ」×ばかうけ“公式”コラボポスター完成!販売会社社長「運命感じた」 : 映画ニュース - 映画.com

邦題を付けるのは中々難しい仕事だとは思いますが密かに楽しみにしているコンテンツでもあるので配給会社の皆さんがんばってください!

 

2017年は日本版オリジナル主題歌も話題やったで!

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関ジャニ∞、『スパイダーマン』最新作のジャパンアンバサダーに!主題歌も担当 | cinemacafe.net

えっ…声はすれども姿は見えず…
スパイダーマン:ホームカミング』の主題歌を関ジャニ∞が!と大変景気のいいニュースなのですがジャニーズ力(ぢから)でインターネット上の記事からは姿が消えてしまいました。大いなる事務所の力には大いなる責任が伴う。

この事件(事故?)についてはこちらの記事がとても面白いです。いわゆる「虚無写真」は何度見てもグッと来ます。そして皆さんはもうご存知だと思いますが2018年にはジャニーズタレントの写真が一部ネット解禁されました。これもスパイダーマンのおかげに違いない!

 

ワンダーウーマン』の日本版イメージソングは乃木坂46だよ!

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乃木坂46白石麻衣、「ワンダーウーマン」監督からダイヤモンド付きティアラを受贈 : 映画ニュース - 映画.com

しかし…「女は一人じゃ眠れない」という曲名に一部映画ファンがどよめきました。解釈違いがすごい!

 

お笑い芸人の日本語吹き替えが不評?でもそんなの関係ねえ~!

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小島よしお、レゴランド登場に親子客400人歓声 狩野英孝への友情も吐露 : 映画ニュース - 映画.com

ズボンをすぐに脱ぐというロビンのキャラから小島よしおさんが抜擢されたようですが…これが蓋を開けてみるとメチャクチャ素晴らしかった!基本的に陽気な少年なのですが心に傷を持つ一面もあるということを声だけで丁寧に表現していて思わずグッときてしまいました。

こっちは斎藤さんだぞ!

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トレエン斎藤がレディー・ガガの名曲でキレキレダンス披露!「SING」コラボ映像公開 : 映画ニュース - 映画.com
こちらも実際に見てみると斉藤さん演じるグンターさんの輝きがすさまじくこれ以外の吹き替えは思いつかない!というぐらいの素晴らしい仕事っぷりでした。

しかしこの二つ、公開前にかなり批判されました。原因は吹き替えに自身のギャグを入れ込んだ、という記事です。

山寺宏一 小島よしおの隠れた能力に感心「声優向き」

確かに楽しみにしている作品がタレント吹き替えになるとどうしても脊髄反射的に「嫌だ!」「やめて!」という気持ちになってしまいます。そういう時、タレントさんが作品に対する熱意やリスペクトを示してくれれば多少はそういう争いごとも減るんじゃないかな、と思います。

日本独自のオリジナルコンテンツといえば2017年は『ランナーズ クロスロード』というのがありましたね!皆さん覚えてますか?

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マックィーンが人間に!?「カーズ」最新作、野村周平主演で異例の実写ミニドラマ化 : 映画ニュース - 映画.com

「カーズ クロスロード」の物語を人間の世界に置き換えた内容で、ディズニー/ピクサーが公認した、極めて異例のミニドラマとなっている。

何を言ってるか全くわからない!

 

えー、といった感じで2017年映画宣伝事件簿とかやってるうちにまた記事が長くなりすぎました。次の後編は2017年を象徴するハリウッド俳優来日ラッシュ&おもしろ来日イベントと『この映画宣伝がすごい!2017』グランプリの発表です!

後編もお楽しみに!

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ポアロに扮した草刈正雄、ヒゲつながりで白髭神社で「オリエント急行殺人事件」ヒット祈願 : 映画ニュース - 映画.com

後編まで急行だ〜〜!

この映画宣伝がすごい!2017(前編)

こんにちは、ビニールタッキーです。

 

Why!?なぜ2018年の年末に2017年の話をするんですか!?

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WHY?厚切りジェイソンの絶叫がとどろく「ザ・コンサルタント」テレビスポット公開 : 映画ニュース - 映画.com

 

毎年勝手に開催していた「この映画宣伝がすごい!」ですが、昨年(2017年)は僕のプライベートの忙しさでお蔵入りとさせていただきました。全世界に数人ぐらいいる楽しみにしていた皆さんには大変申し訳ない…という気持ちでこの一年を過ごしていました…というわけで!そんな皆さんの期待に応えるべく!今さら蔵出し!2018年の年末に公開することにしました!

もう1年以上前のネタを今さらやってどうするんだ…という考えが頭を過ぎりますがこういうのはアーカイブとして残しておいた方がいいだろう、たぶん!きっと!!と強い気持ちでやらせていただきます!

そもそも「この映画宣伝がすごい!」とは…下記のリンクをご覧ください。

まずはこの映画宣伝がすごい!2015

aquablue-inferno.blogspot.com

aquablue-inferno.blogspot.com

aquablue-inferno.blogspot.com

 

続いてこの映画宣伝がすごい!2016

aquablue-inferno.blogspot.com

aquablue-inferno.blogspot.com

aquablue-inferno.blogspot.com

はい。こんな感じのやつです。

つまり海外の映画が日本で公開される際に行われる「お笑い芸人出演のPRイベント」「旬の芸能人を呼んでの試写会」「タレントの吹き替え初挑戦」「日本版オリジナル主題歌」等の味わい深いイベントや宣伝群を「おもしろ映画宣伝」と名付け、収集しています。

※味わい深いイベントの例

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元応援隊長スピードワゴン小沢、「ワイスピ」吹き替え・柳沢慎吾&瑛茉ジャスミンに恨み節? : 映画ニュース - 映画.com

最近は映画配給側の努力や映画業界の苦しい現状などを知るに至り「こういう宣伝も必要よね…」という気持ちにもなるのですが相変わらず毎年意表を突くような宣伝が来るのでビックリするばかりです。

 

※意表を突く宣伝の例

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加藤紗里、狩野英孝突き放し現在はトランプ米大統領にぞっこん「顔がタイプ」 : 映画ニュース - 映画.com

ちなみに最近自分のツイッターのプロフィールを「おもしろ映画宣伝ウォッチャー」にしました。最近これらの概念が「ビニールタッキー案件」「ビニールケース」等のワードで周知されつつあり超恥ずかしいので「おもしろ映画宣伝」の方向で周知したいからです。あとよく誤解されるのですが僕は基本的にこれらの宣伝が大好きです!一部のヤバいやつを除いて!

というわけでそんなおもしろ映画宣伝の中で特にすごい!(一部ヤバい!)と感じた案件を「この映画宣伝がすごい!2017」としてご紹介します!気合い入れていくぞ!

(フリー・)ファイヤー!!

f:id:sexualrocker:20181219212429j:imageブリー・ラーソンから大仁田厚に主役交代!?「フリー・ファイヤー」エイプリルフール特別映像公開 : 映画ニュース - 映画.com

 行くなっしー!!!!

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竹内力、銀行員だった過去を告白!ふなっしー猛ツッコミ「闇金でしょ!」 : 映画ニュース - 映画.com

ふなっしー竹内力が『王様のためのホログラム』のPRイベントに!

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銀行マン時代の竹内力!!色々すげえ!

続いて『キングコング 髑髏島の巨神』は宣伝量が多かった!

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佐々木希、アフレコNG連発でGACKTが「かわいいねえ」 | cinemacafe.net

ケーキ!

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暴走キングコング”の異名を持つ真壁刀義、「本気でコング役のオファーが来たと思った」 : 映画ニュース - 映画.com

4DXにガッツ石松もビックリ!

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“暴走キングコング”も形無し?真壁刀義、4DXの臨場感におびえてガッツ石松に抱きつく : 映画ニュース - 映画.com

みやぞんも!
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「ANZEN漫才」みやぞん、「キングコング」に出したい怪獣にまさかの珍回答 : 映画ニュース - 映画.com

くっきーも!

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野生爆弾くっきー「キングコング」の謎の絵描き歌を披露、ちぃぽぽに引かれる : 映画ニュース - 映画.com

この宣伝の盛り盛りな感じは確かにキングコングにぴったりかも!


ムッ!あれは中国の妖怪饕餮!?いや、旬を過ぎた芸人さんでした。 

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カズレーザー、「グレートウォール」美人指揮官に扮した相方・安藤なつに容赦ないツッコミ : 映画ニュース - 映画.com

2017年底抜け映画の代表格『グレートウォール』とメイプル超合金という夢の最強タッグ!

『グレードウォール』といえばツイッター上でインフルエンサーを集めた応援部が結成されたことも僕の中で話題になりました。

2017年は『ワイルド・スピード ICE BREAK』でも同じような応援部が結成されたことをみなさん覚えてますか?たぶん覚えてなくても今後の人生で問題ないと思います。

 続いてはおもしろ映画宣伝の帝王、ダチョウ倶楽部

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世界に1台?全長4mのリアル「トランスフォーマー」車両が日本上陸! : 映画ニュース - 映画.com

ヤー!!

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上島竜兵、“チュー”ができる唯一の女性芸能人は野呂佳代 : 映画ニュース - 映画.com

メル・ギブソン監督『ハクソー・リッジ』のPRイベントで「叩いてかぶってジャンケンポン」や「アツアツタオル当てゲーム」等をやる胆力。もしかして肥後リーダーが沖縄出身ということでオファーしたのかしら…と気付いたのですがいくら探してもそのことについて言及している記事はありませんでした。

バトル映画といえばこちらも!

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友近「エイリアン」リプリーになりきったはずが…「これはランボーですか?」 : 映画ニュース - 映画.com

友近さんのシガニー・ウィーバーものまねが見事ですが『エイリアン コヴェナント』にリプリーは出てねえ!

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ビリケンさんがエイリアンのえじきに……衝撃的なフェイスハガー姿がお披露目 : 映画ニュース - 映画.com

ビリケンさんもフェイスハガーの餌食になってました。個人的にビリケンさんはおもしろ映画宣伝の静かな準レギュラーなのでいつかまとめたいと思っています。

大阪ということでトラッキーも駆けつけてくれました!

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「怪盗グルー」笑福亭鶴瓶、地元・西宮凱旋で郷土愛爆発!トラッキーも登場 : 映画ニュース - 映画.com

黄色い縞々キャラ繋がり!2人の出会いは必然か!

…ちょっと疲れてきました。ここはかわいらしいものを見て心を落ち着かせましょう。

犬の気持ちになるですよ…!

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ゆりやんレトリィバァ、得意の英語で犬の通訳に - シネマトゥデイ

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スウェーデンの名匠ラッセ・ハルストレム監督の感動作品も日本の宣伝にかかればこんな感じです。確かに親しみやすい…でも監督の気持ちにもなるですよ!

子役も集まってジャスティス・リーグ

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鈴木福、新井美羽らが子ども版「ジャスティス・リーグ」結成! : 映画ニュース - 映画.com

かわいいゆるキャラたちも大集合!

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ふなっしーがバットマンに!ご当地キャラ版「ジャスティス・リーグ」を結成 : 映画ニュース - 映画.com

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映画でも使われた「カム・トゥゲザー」をバンド演奏で披露!(ギターがちゃんとリッケンバッカー!)

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躍動感がすごい!!!

 

はい。

汲めども尽きぬおもしろ映画宣伝のおかげであっという間に記事が長くなってしまいました。というわけで例年通りトリロジー(三部作)という形でお送りしますので次の中編をお楽しみに!次回は2017年に何かと話題になった不思議な邦題&タレント吹き替えをピックアップしますよ!

中編に続く! 

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森脇健児、“最大の危機”は「レギュラー・ゼロで月収800万円から8万円になったとき」 : 映画ニュース - 映画.com

また見てや!

映画感想『THE GUILTY ギルティ』耳をすませば見えてくる

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原題:Den skyldige
製作年:2018年
製作国:デンマーク
監督:グスタフ・モーラー
出演:ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセン、オマール・シャガウィー

あらすじ:警察の緊急ダイヤルに「誘拐されている」という通報が入ります。

短い映画っていいですよね。忙しい現代社会ではサクッと見られるという利点が大きいですがそれ以外にも短いならではの良さがあると思います。例えば時間が限られているためシーンやセリフに無駄がない。お話も一本道でテンポが良い。アイディア一発勝負のようなユニークな映画が多い。さらに短さゆえに観客の集中力も途切れない等々、様々な利点があります。長い映画もいいんですが短い映画にもたくさん魅力がありますよね。

『THE GUILTY ギルティ』はなんと上映時間88分。短い!緊急ダイヤルのオペレーターが電話だけを頼りに誘拐事件を解決するというシンプルなストーリーながら斬新なアプローチとあっと驚く展開で様々な映画祭で絶賛されたデンマーク産のスリラー映画です。試写で見させていただいたのですが確かに絶賛も納得の超ソリッドでタイトなサスペンス映画でした。

警察の緊急連絡室に勤めるアスガー(ヤコブ・セーダーグレン)は緊急ダイヤルに対応するオペレーター。以前は警察官として現場に出ていたようですが訳あって今はオペレーターとして路上強盗の通報にパトカーを手配したり、麻薬中毒者のうわごとのような電話に付き合ったりと小さな仕事をこなしています。そんなある日、アスガーは「今誘拐されている」という女性からの通報を受けます。電話の向こうのかすかな音や他にいる"誰か"の気配、携帯電話の大まかな位置情報だけを頼りに彼女を救う行動に乗り出します。

まず映画を見て驚くのは88分間カメラが緊急連絡室から一歩も出ないということです。舞台はオペレーター数人がいるオフィスと個室と廊下。たったこれだけです。この緊急連絡室がどんな場所のどんな建物の何階にあるのかすら分かりません。もちろん回想シーンや事件現場のイメージシーンも一切なし。ただひたすら通報に迅速に対応するアスガーや事件を推理するアスガー、虚空を見つめるアスガー、怒りを爆発させるアスガー、という風に88分間険しい顔をしたおじさんが映るだけという超ソリッドな仕様です。

 

当然音楽も必要最低限しか流れません。映画館で流れるのはキーボードのタイプ音、ダイヤル音、そして電話の向こうの音です。観客に提示される情報は本当にこれだけなので主人公も観客も耳をすませて電話の向こうのかすかな情報を収集するという異常な集中力を要求されます。まさに88分間というタイトな上映時間だからこそできる芸当なのです。

本作で特に白眉なのが誘拐されている女性が緊急ダイヤルにかけているのがバレないように会話するというシーン。昔アメリカで緊急ダイヤルにピザの注文の間違い電話がかかってきたと思ったらDVの現場からの通報だった、という話がありましたが、本作でもまさにそれを髣髴とさせるようなスリリングな緊急電話とオペレーターの神対応が味わえます。

このように本作は具体的な描写は一切スクリーンに映らないのですが思わずヒエェと声をあげたくなるような凄惨な展開があります。(さすが風景は美しいけど情け容赦ない北欧映画!という感じです)しかしそれさえも音声でしかわからないため全ての観客一人一人の頭の中に凄惨な現場があるのです。思い返して見るとこの映画には様々な人物や場所、乗り物や凶器などが登場するのですがそれら全てを一切見ていないということに気がついて改めて驚いてしまいます。観客は全てを「聞いた」だけなのに「見た」つもりになっているのです。改めて映画って本当にすごい!と感じてしまいます。

本作は終わってしまえば「こういう話です」と2行ぐらいの文章で説明できるぐらいわかりやすいお話です。でもそこに至るまでの情報の出し方、あえて出さないやり方、そして裏切り方が見事です。デンマーク語の原題『Den skyldige』は英語にするとそのまま『The Guilty』となり「有罪」や「犯人」「罪の自覚がある者」という意味になります。このタイトルは何を意味するのか。ぜひ映画館で耳をすませて「見て」ください。

 

・ハリウッドリメイク決定

『THE GUILTY ギルティ』はジェイク・ギレンホール出演でハリウッドリメイクが決定しました。内容に触れるのであまり言えないのですが彼は本当に適任だと思います。絶対に合う!

 

・『ミッション:8ミニッツ

そのジェイク・ギレンホールが2011年に出演したこれまた限定空間で事件を解決する傑作映画。列車爆破テロ事件が発生する8分間を何度も繰り返し体験することで犯人を見つけ出すというかなり変わったシチュエーションのSFスリラーです。93分とタイトですがラストはあっ!と驚きますよ。


・『セルラー

「限定空間」「誘拐」「電話」というプロットで思い出したのは2005年日本公開のこの映画。誘拐された理科教師が壊れた電話機を修理して偶然かかった電話に出たのはチャラい若者だった…というお話。『THE GUILTY ギルティ』とは打って変わって95分間ノンストップのド派手な映画です。まだ初々しいクリス・エヴァンスと乱暴な悪役が抜群に似合うジェイソン・ステイサムも見どころです。

映画感想『ヘレディタリー/継承』わたし見た 大変なものを見た

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原題:Hereditary
製作年:2018年
製作国:アメリ
監督:アリ・アスター
出演:トニ・コレット、アレックス・ウルフ、ミリー・シャピロ、アン・ダウド、ガブリエル・バーン

あらすじ:おばあちゃんが亡くなってから一家に恐ろしいことが次々と起こります。

僕はホラー映画が超絶苦手です。もう本当に、全然ダメです。

オカルトやミステリーは大好きですしゴア描写も平気なのですが、急にワッ!とかドーン!みたいな大音量でビックリさせる系の映画は心臓に悪いので絶対に見ません。さらに映画館だと完全に逃げ場がないので劇場公開中に見に行くようなことはほとんどありません。

そんな僕が「嫌だ」「絶対に見たくない」「どう考えても怖い」「なぜお金を払って怖い思いをしなければならないのか」と駄々をこねながら今世紀最強のホラー映画と名高い『ヘレディタリー/継承』を見に行きました。

お話はミニチュア模型作家のアニー(トニ・コレット)の母エレンの葬儀から始まります。アニーとエレンの親子関係は複雑で息子のピーター(アレックス・ウルフ)をエレンから遠ざけていましたが娘のチャーリー(ミリー・シャピロ)とは親しくさせていました。実はエレンは精神障害を患っており、アニーの父や兄もその影響なのか不幸な死を遂げたという過去がありました。アニー自身にもその兆候があり、やがて息子や娘にもこの症状が遺伝してしまうのでは…と恐れています。

もうあらすじの時点で嫌な予感しかしません。しかも予告編も怖い。(特に恐怖で歪むトニ・コレットの顔とミリー・シャピロが全身に纏う禍々しい雰囲気が怖い!)こんな怖そうな映画をなぜ超絶ビビリの僕が見に行ったのか。実はこんな僕でも年に1、2本はホラー映画を見ることがあります。自分の中で明確な基準を設け、事前情報でその条件が揃ったときにだけ見るようにしているのです。

 

①急にビックリさせる系映画ではない
②ストーリーが巧妙で面白い
③信頼できる人たちが絶賛している

『ヘレディタリー/継承』はまさにこの3つの条件が揃っているのです。いや「揃ってしまった」と言うべきかもしれません。そのせいでギャーギャー言いながら見に行ったのですが…結論から言うと見て大正解でした。本当に見に行って良かった。これは大傑作ですよ。その素晴らしさを今挙げた3つの条件に沿って説明します。

①急にビックリさせる系映画ではない
もうこれは僕のようなビビリ人間には絶対条件です。以前面白いと評判のミステリー映画を自宅で見ていたらビックリ演出がバンバン出てきたのですぐ停止ボタンを押して二度と見ることはありませんでした。僕は本気なんです。

『ヘレディタリー/継承』はそういう手法で怖がらせる映画ではありません。確かに大きな音や大声を上げたりするようなシーンはありますがそれは観客を驚かせるためではなく登場人物が体験している恐怖や精神を蝕む狂気の度合いを表現するために使われています。どちらかと言うとこの映画は「今部屋の奥に何かいたような気がする」「何か変な音が聞こえたような気がする」「とても静かだけど絶対に嫌なことが起きてるような気がする」といったような静寂の中でじわじわと不安を掻き立てることで観客を恐怖のどん底に落とし込む映画でした。それはそれで超怖い!でも心臓が弱い僕には安心設計!と思いました。

このようにわかりやすいビックリ演出を取らずむしろ古典的と言ってもいいホラー演出で怖がらせる本作ですが、だからと言って古臭い感じはしません。時折カメラがダイナミックに動いたり場面が一瞬で変わったりするようなハッとするような技法を使いつつ、嫌なことが起きるシーンのじっくりとした間の長さや、本当に怖いものをちらっと見せたり、あえて見せなかったりする演出が実に的確で見事です。一言で言ってしまうと「センスがいい」。アリ・アスター監督は本作が長編デビューということですが本当にとんでもない才能が急に出てきてしまった!と驚愕しました。

②ストーリーが巧妙で面白い
『ヘレディタリー/継承』を見た人の大多数は「もう二度と見たくない」という意見なのですが、一部では「もう一度見たい」という意見も見受けられました。どうやら「ストーリーが巧妙なのでもう一度見て確認したい」ということだそうです。残念ながら、というか自分でも驚くのですが僕ももう一度見たい派です。

この映画、予告編やあらすじを見るとなんとなく「精神に不安を抱える家族がおばあちゃんの死をきっかけに崩壊していく話なのかな」と想像するのですがこれが完全に予想を裏切る、全然違う話でした。「えっ?この話どこに向かうの?えっ!そっち!?嫌!嫌だよー!!最悪!最悪ー!!」となった時にはもう遅く、心の準備も整わないまま物語は最凶に衝撃的なフィナーレを迎えます。僕はエンドロールを眺めながらスクリーンで起きたあまりの出来事に呆然としてしまいました。

しかし改めて思い返してみると「あれってつまりそういうことだったのか?」「そういえばあんなことになる予兆があったような…」と映画内に巧妙に張り巡らされていた伏線に気付き始めます。そして全てのシーン、全てのカットに意味があり、映画内で起きる全ての出来事が事態が最悪の方向へ向かうように周到に準備されていたということに気付いて「もう一度見たい!」となるのです。ビクビクしながら劇場に入ったのに出てくる頃には興奮している自分に驚きました。この映画、本当に一部の無駄も隙もありません。さりげないセリフやちょっとした小道具、脇にいる人物、どんなに小さなものでも見逃すことができません。ファーストショットでさえ意味があります。ああっ!もう一度見たい!

③信頼できる人たちが絶賛している
普段ホラー映画を見まくっているホラー愛好家の皆さんだけでなく他方面の映画ファンの方も絶賛している印象を受けました。昨年(2017年)で言うと『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』『ゲット・アウト』などのホラー映画でも同じような傾向がありました。こういう場合、ホラー描写の鮮烈さはもちろんなのですがそれ以外の部分の魅力(俳優の演技や演出スタイル等)やその作品が作られた背景に深みがあることが多いという印象です。

そういう意味で言うと『ヘレディタリー/継承』の作られた背景は深い、というより底の見えない暗黒という感じです。監督はこの映画について「みんなが絶対に見たくないものを見せようと思った」と発言しています。まさにその通りで人生において絶対に経験したくないものを見せてくるのですが、さらに「それを経験した人間のどうしようもない行動」「経験したもの同士の熾烈な揉め事」まで見せるのが本当に最悪です。ただ、そんな最悪な映画を作った理由として監督は「自分の家族にあまりにもひどいことが続いたので「これはもう呪われてるんじゃないか」と思ったところから発想を得た」と語っています。つまりこの映画は自身の辛い経験を創作活動に昇華して治癒するセラピーだということなのです。これがまさに、この映画の主人公アリーが自分に起きた苦難をミニチュアに再現して一種の箱庭療法のような仕事をしていることと重なるのです。このように完全なる悪意で作られた点と、実体験の入れ子構造のような点が様々なホラー映画とは一味違う、絶賛される理由なのかもしれません。

興奮気味に書きまくってしまいましたがこれ以上はもう言いません。ぜひご自身の目でこの「新たなクラシック」を目撃してください。僕は『シャイニング』をDVDで初めて見たとき「これを劇場公開時に映画館で見た人はさぞかし興奮しただろうな」と思いました。少し大げさかもしれませんが『ヘレディタリー/継承』はそれと同じレベルの恐怖と興奮を味わえると感じました。

あまり深くは言いませんが「事態が最悪の方向へ向かうのを大勢でただ見ている」ことがこの映画の構造とも密接に関わってくるので映画館で大勢の観客と一緒に見るとさらに物語への没入度が高まると思います。そして暗闇にいる"何か"、何かの存在を感じる"音"、あの禍々しくて嫌ーな感じ、あの最凶に衝撃的なフィナーレを映画館の大スクリーンと音響で味わってほしいと思います。

 

・『ゲット・アウト

先述した3つの条件に当てはまったのでこちらも劇場で見ました。近年のホラー映画の傑作です。アカデミー賞3部門ノミネート、脚本賞を受賞したと聞くと格式高い映画という印象ですがきっちり怖いし最高に嫌ーな話です。でも痛烈な社会風刺もこめられていて僕は大好きです。この映画に深く感銘を受けたチャンス・ザ・ラッパーが地元シカゴの映画館を貸しきって無料上映したといういい話もあります。

 

・完全解説


公式サイトに「見た人限定完全解析ページ」が掲載されています。親切設計です。鑑賞後、あれはどういう意味?という箇所がある場合はここを参照してください。ほぼ網羅されていると思います。

映画感想『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』ニュート・スキャマンダーが主人公である理由

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原題:Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald
製作年:2018年
製作国:アメリ
監督:デビッド・イェーツ
出演:エディ・レッドメインキャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、ジュード・ロウジョニー・デップ

あらすじ:悪い魔法使いグリンデルバルドが脱走したので追いかけます。

ハリー・ポッター』シリーズのスピンオフ、そして前日譚にあたる映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)の続編。前作は魔法動物学者:ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が自分のスーツケースから逃げ出した魔法動物を探しているうちに魔法界を揺るがす大事件に巻き込まれていく…というお話でした。優秀な学者ですが魔法動物の話になると急に饒舌になったり常軌を逸した行動を取ったりするニュートの「魔法使いムツゴロウさん」っぷりが印象に残る楽しい映画です。これは誇張でもなんでもなく本当に「よーしよしよし」とムツ・スピリットあふれるセリフも登場します。動物愛を極めると皆ああいう感じのキャラクターに集約されていくのでしょうか。

冒険に巻き込まれてニュートの友人となる心優しい男ジェイコブ(ダン・フォグラー)と人の心を読むことが出来るクイニー(アリソン・スドル)の二人が個人的に大好きです。前作のラストで二人が別れるシーンではビンビンに泣いてしまいました。そういう意味で続編でジェイコブが再登場すると聞いた時は「あんなにきれいに終わったのになんでやねん!」という憤りと「またジェイコブに会える!」という喜びで心が引き裂かれそうになりました。

ちなみに自分のハリポタ習熟度を説明すると原作未読、映画は『賢者の石』と『秘密の部屋』をテレビで見た程度のハリポタ弱者です。そしてファンタビは大好きというポジションです。そんな状態で見たのですが…結論から言うと「しんどい」。いやーとにかくしんどい。あと「登場人物みんなかわいそう」。特に僕のような前作ファンにとってはつらい部分もありましたが、それと同時にかすかな希望を感じる部分もありました。他には「魔法動物は相変わらずかわいい」。そして「前作とは比べ物にならないくらいハリポタ知識過積載」という感じでした。

とにかく1作目の「おいで~ハリポタに詳しくなくても大丈夫だよ~」みたいなノリから2作目の「ハリポタ読んだやろ?ほないくで」という急転直下っぷりがすごい。洪水のように注入されるハリー・ポッター専門知識と怒涛のように襲い掛かる情報量に翻弄されているうちに映画が終わってしまいました。これが「この冬、日本中が魔法にかかる」(日本版キャッチコピー)ってやつなんですか。

前作で魔法省に捕らわれたグリンデルバルド(ジョニー・デップ)は護送中にあっさりと脱走。一方ニュートは恩師であるダンブルドア先生(ジュード・ロウ)に説得されパリに潜伏しているクリーデンス(エズラ・ミラー)を追うことになります。強大な魔力を持つクリーデンスと恐ろしい野望を抱くグリンデルバルドが手を組んだら大変なことになる…ということで魔法使いたちが奔走するというお話です。こう聞くとシンプルなお話に聞こえるかもしれませんが、前作からドドッと登場人物が増えた上に人間関係が複雑で真相が二転三転するため本当に疲れます。(それこそがハリポタ世界の魅力なのかもしれませんが)

登場人物は皆とても魅力的です。ニュートの兄テセウス(カラム・ターナー)は生真面目で弟を溺愛する感じが最高です。余談ですがエディ・レッドメインよりカラム・ターナーの方が実際は8歳年下と聞いたときは驚いてしまいました。カラムがオーディションの際にとっさにエディのおでこにキスをしたら採用されたというエピソードも最高です。そのキャラクターはテセウスに見事に反映されていると思います。

 

クリーデンスと逃避行するナギニ(クローディア・キム)も怪しくも切ない雰囲気が素敵です。僕だけかもしれませんがナギニさんは憂いを含んだ相田翔子っぽい、と感じました。淋しい熱帯蛇。終盤でナギニがクリーデンスにかける言葉はこの映画の重要なテーマの一つだと思います。恐らくあの言葉が今後の続編においても大きな意味を持ってくると思います。


グリンデルバルドもいつものジョニー・デップ節を抑えながらも圧倒的な魔力ではなく魅力で人々を誘惑する人物を丁寧に演じていると思います。人々の前に神出鬼没に現れては巧みな話術でそれとなく誘導するという手法が悪魔のようで単純な殺人鬼より恐ろしいと感じました。

そしてクイニー。冒頭のジェイコブとのラブラブシーンを見ると天真爛漫な明るい女性に見えるかもしれません。しかし他人の心を読めるという彼女の特技を知っていると、あの明るい性格は汚れた現実から自分の繊細な心を守るための防護策なんじゃないかと感じます。劇中で彼女が「見知らぬ街で迷子になってわんわん泣く」というシーンがあります。大人がそんなことをしたら普通驚いてしまいますが、彼女が胸に秘めている繊細さとその危うさを示す象徴的なシーンだと思いました。あまり詳しくは言えませんがそんな危うい彼女の存在が今後重要なキーになるのでは…と予想しています。(クイニーファンとしての願望込みですが)

 

そんな中いつも通り珍しい魔法動物を見つけてわあーっと感動するニュートには救われます。魔法動物のためならびしょ濡れになるし地面も平気で舐めるニュートさん。好意を寄せるティナ(キャサリン・ウォーターストン)についても瞳の特徴や歩幅の癖といったような「生態」で把握しているのがニュートらしくて最高です。もしかしてクリーデンスのことも珍しい魔法動物だと思って追いかけているだけなのでは…という疑惑が高まってきます。

しかしこれこそがファンタビシリーズの魅力なのではないかと思います。物語終盤の純血主義者の決起集会以降、魔法界を取り巻く状況はさらに悪くなるでしょう。今回の舞台である1927年のヨーロッパもこの後世界恐慌を経てナチス・ドイツが台頭する暗い歴史が待ち構えています。そんな暗い暗い世界の中でも自身の立場を崩さず、どちらの側にも肩入れせず、魔法動物のことを第一に、常に飄々と生きるニュートに希望を感じるのです。

一方でグリンデルバルドに加担するのは現状に不安や不満を抱えているため「私のところに来れば解決できる」という言葉に誘惑されてしまった人たちです。その人たちがいいとか悪いとかではなく、美辞麗句で人の不安に付け込み、いいように利用する支配者というのはいつの時代もいる、ということだと思います。この「正義」と「悪」の構造と対比が本作を『ハリー・ポッター』シリーズとはまた別の、違う味わいの作品にしているのだと思います。

全5部作に及ぶというファンタビシリーズ、最終的な着地点はグリンデルバルドとダンブルドアの対決になると思うのですが、その対決に至る背景にニュートやジェイコブのようなキャラクターたちの活躍があればいいな、と思っています。闇祓いのように攻撃的ではないただの動物学者のニュートや、かわいらしい魔法動物たちや、ただの人間でしかないジェイコブのような「選ばれし者ではない者」たちだからこそ出来ることがあると思うのです。実際にニュートは本作の中で本当にささやかですが今後の勝機に繋がる確かな偉業を達成します。それは彼が英雄だからではなく、偏執的なまでの動物学者だったから出来たことです。

これは最近のスター・ウォーズ(『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』)や『ブレードランナー2049』にも見られる映画界の潮流の一つのような気がします。今挙げた作品のようにChosen One(選ばれし者)ではない者たちが平和のために、もしくは救いたい誰かのためにがんばる話を僕は熱望します。

本作を見て僕は、昨今の世界を取り巻く排外主義や根強い人種差別に対抗するには一人一人の小さな力が必要だというメッセージを感じました。原作・脚本のJ・K・ローリングブレグジット(英国のEU離脱)やアメリカのトランプ政権に批判的なスタンスを取っています。2020年に公開される続編では希望をより一歩進めてほしいと願います。あとすいません、これは個人的な要望なのですがみんなを幸せにしてあげてください、J・K・ローリングさん。ほんとお願いしますよ…

そしてこれを機にいい加減ハリポタを習得しようと思いました。とりあえず映画全8作品、がんばります。


・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

デビッド・イェーツ監督、J・K・ローリング脚本のファンタビシリーズ第1作。「逃げた魔法動物たちを捕まえる」というお話ですので2作目よりも動物の登場シーンが豊富で楽しい作品です。あと物凄い色気のグレイブス長官(コリン・ファレル)が印象的です。

 

エズラ・ミラーによる考察

クリーデンス役のエズラ・ミラーによるファンタビ2の考察。クリーデンスが置かれている状況を現代の社会問題と照らし合わせながら冷静に分析しています。記事後半に出てくる彼のハリポタガチオタクっぷりを象徴するエピソードも最高です。

映画感想『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』仕事をこなしただけなのに

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原題:Sicario: Day of the Soldado
製作年:2018年
製作国:アメリ
監督:ステファノ・ソッリマ
出演:ベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリンイザベラ・モナーマシュー・モディーンキャサリン・キーナー、マヌエル・ガルシア=ルルフォ

あらすじ:CIAが麻薬カルテル同士の抗争を企てますが途中で作戦中止になりました。

アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争を描いた『ボーダーライン』(2016年)の続編。原題のSicarioはスペイン語で「殺し屋」という意味です。個人的には「国境」「昼と夜」「敵と味方」「法と秩序」「正義と悪」といった様々な『ボーダーライン』が登場し、そのボーダーラインが曖昧になったり踏み越えられたりする映画なので中々練られた良い邦題だと思っています。本作でもボーダーラインを越えることの危うさ、もはや巨大なビジネスとしてシステムが成立している国境越え、本当の正義とは、悪とは何なのかという様々な現実を突きつける映画となっています。

前作のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督から今回はイタリア人監督のステファノ・ソッリマにバトンタッチ。前作は撮影が名匠ロジャー・ディーキンスということもあり芸術映画のような重厚さがありましたが、今回はテンポの良さの中に真綿でじわじわと首を絞めるような演出とメキシコ国境地帯のような乾いた画面が印象的で見事でした。そして脚本は現実にある地獄を書かせたら超一級のテイラー・シェリダンが続投。相変わらず「マジでそんな世界があんの…?」とドン引きしてしまうほど地獄のような現実描写と臓腑にズドンとくる嫌ーな人間ドラマで見る人の眉間の皺を増やす仕事っぷりでした。

アメリカ国内で起きた自爆テロ。実行犯は麻薬カルテルの手引きでメキシコから来た不法移民である、と睨んだ国土安全保障省カルテルの殲滅に動き出します。まずこの冒頭のツカミに度肝を抜かれました。前作は「カルテルのアジトに行ったら壁の中が死体だらけ」という強烈なツカミで「メキシコ怖い!」というトラウマを植えつけましが、本作では「車から降りてきた男たちが民間人であふれるスーパーに入ってそのまま自爆テロ」という流れをほぼカットなしで描くというツカミで「自爆テロ怖い!」というトラウマを植えつけてきます。

国土安全保障省はCIAの工作員マット(ジョシュ・ブローリン)にカルテルの殲滅を依頼。マットは旧友の暗殺者アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に「ルールなし。今回は何をやってもいい」と協力を要請します。麻薬カルテルに家族を皆殺しにされた過去を持つアレハンドロの瞳に火が灯ります。前作から見てる身としては地獄を経験しすぎて完全に人間として壊れてしまった二人の描写が印象に残ります。容疑者を非人道的、と言うかどう考えてもやり過ぎだろ!的な手段(軍事ドローンが家族の住む自宅をロックオンしている映像を見せる)で尋問するマット。そして前作以降死んだ目で潜伏していたであろうアレハンドロ。久しぶりに再開した二人が粗末な椅子に食事を置いて(部屋に食事用のテーブルがないので)もそもそと食べる様子は切なさの極みでした。

カルテルの構成員を装って別のカルテルのボスの娘イザベラ(イザベル・モナー)を誘拐しカルテル同士の抗争を誘発しようと試みますが、情報のリークや警察の裏切り等の不運が重なり作戦は暗礁に乗り上げます。その上なりゆきでメキシコ警察を殺害したことで政府間の問題に発展することを恐れた安全保障省が作戦の打ち切りを一方的に決定します。メキシコでイザベラと潜伏しているアレハンドロはどうするのか、マットはアレハンドロをどう処理するのか…。この各々が与えられた仕事をこなしただけなのに上層部の命令で地獄のデスマーチへと発展していく様子には胃が痛くなります。あるある、よくありますよこういうの。しかもよく考えると冒頭の作戦会議で安全保障省は明確に「やれ」と言ったわけではなくマット自ら誘拐作戦を提案するように促すというやり方で逃げ道を作っていることを思い出して心底嫌な気分になります。あるあるー本当にあるよーそういうの。上層部の一方的な命令をただ伝えるだけの上司にマットが言い放つ「俺は仕事をした。お前も仕事をしろ」というセリフが胸を打ちます。僕も会社でそう言いたくなる場面が何度あっただろう…。CIA工作員でも普通の会社員でも仕事の尻拭いはつらいということがよくわかります。この映画のタイトルの「ソルジャーズ」には「社会人」とルビを振ってもいいと思います。これはまさにソルジャーズ・デイ(社会人の日々)です。

社会人的なつらさが光る今作ですが、今回はギャングを志す青年ミゲルとカルテルの令嬢イザベラという対称的な二人の子どもを配置することで「子どもから大人へ」「平和な日常から地獄のような現実へ」という新たな「ボーダーライン」を越える話が加わり、より物語に深みが出ていました。この映画は子どもが地獄を体験することで成長する物語であり、人間として壊れてしまった主人公二人が彼らと関わることでかすかに人の心を見せる物語でもあります。特に仇であるボスの娘イザベラに自身の娘に起きたことを重ねて次第に同情を寄せるアレハンドロにじんわりと感動してしまいます。ベニチオ・デル・トロのクールな魅力と繊細な演技が光ります。そしてそのアレハンドロを何とかして守ろうとするマット…この二人の腐れ縁のような関係性がさらに強調されているのも素晴らしかったですね。

脚本のテイラー・シェリダンによるとこの『Sicario』シリーズは三部作だということなのでこの物語の続きが見れるのか!という思いと次はどんな地獄かな…という思いが交錯します。しかし最終章が楽しみであることは間違いありません。僕は仕事で嫌なことがあった日に駆け込むようにこの映画を見て最高にハマってしまったのでそんな精神状態の人に特にオススメです!ファック仕事!でもファックな仕事でも誰かが終わらせなればならない!俺たちもSoldado(兵士)だ!!

 

・『ボーダーライン』

監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本テイラー・シェリダン、撮影ロジャー・ディーキンス、音楽ヨハン・ヨハンソンという最強の布陣で作られた前作。美しい映像や重厚な音楽も最高ですがとにかく「メキシコ麻薬戦争怖えー!」となる一本です。

 

・『オンリー・ザ・ブレイブ

オンリー・ザ・ブレイブ [Blu-ray]

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2018年のジョシュ・ブローリンは『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』『デッドプール2』と大活躍でしたが個人的に推したいのはこの一本。山火事に挑む消防隊の奮闘を描く人間ドラマ。「山火事なら俺たちに任せな!イエーイ!」みたいなアメリカンなノリの映画だと思って見ているとあまりにも衝撃的な展開に愕然とするとてつもない映画です。